私が自分の資質の中で最も誇りに思っていることは、他人の意見を鵜吞みにせず、自分の頭でしっかり考えて決断を下して選択する力です。
他の人の意見に耳を貸さないって、日本ではまるで頑固者のように思われているようですが、私は人間が生きていく上で絶対に必要な能力だと考えています。
どれほど目上の人でも、尊敬できる人でも、自分にしっくりこない意見は受け取らず、自分の頭でしっかり考えて結論を出す力は絶対に捨ててはならないのです。
自分の人生の主導権を他者に明け渡してはならない。
メンターの意見に従わなくて大正解だった2018年
2018年、私の元に「バリ島でビジネスをしないか」という話が舞い込みました。
私が資金を出して、現地のパートナーと共同でビジネスを運営するという話でした。悩みに悩んだ私は当時の日本人メンターに相談をしたのですが、その時に彼はこう言いました。
「いいんじゃないかな。この人(ビジネスパートナー)だったら、仮に(ビジネスが)うまくいかなかったとしても、お金は戻してくれると思うけど」
その瞬間に私の中に「それはないな!」という直感が生じました。
「お金を返すって、どうやって?出資したお金は、テナント料や人件費や施設費に使われるんだよ?使ってしまった大金を返金する経済力が、バリ人のビジネスパートナーにあるとは、私は到底思わない」。
私はメンターの意見を完全スルーして、バリ島でのビジネスの話を見送ったのでした。
そして2020年。
世界をコロナが襲った年、観光業だけで生業を立てていたバリ島の市民たちは壊滅的な打撃を受けてしまいました。
今思い返しても、あの時にバリ島にビジネス進出していなくて本当に良かったと、私は胸をなでおろすのです。
メンターの言うことにではなく、自分の直感に従って本当に良かった。自分の頭で考えられる力があって本当に良かった。
私は自分に感謝しています。
「もう一度よく考えて」と言われて
20歳の頃、私は東京の私立大学に通う2年生でした。学校の短期留学プログラムを利用してアメリカ留学から帰ってきたばかりで、今度は別のアメリカの大学に本格的に留学し直そうと準備を進めていました。
インターネットはない時代のことですから、すべてが国際郵便と国際電話で行われていました。アメリカの大学の願書の記入方法がよくわからず、大学に勤めていたアメリカ人講師の元を訪ねた際に、彼女からこんなことを言われました。
「ところであなた、TOEFLはすでに取っているの?」
「TOEFLはアメリカに行ってから取ります」と答えると、彼女は表情を曇らせてこう言いました。「あなたみたいな留学生を知っているわ。彼女、アメリカでTOEFLを受けたけど、ダメだったの。結局大学は諦めて、日本へ戻ることになった。だからあなたももう一度よく考えて」。
その時私はこう思ったのでした。
「で?その留学生と私に何の関係が?私は彼女じゃない。たった一回TOEFLに失敗したからって帰国するって、どうよ?私だったら、最低でも一年は粘る。TOEFLは毎月受けられる。一年粘ればどうにでもなるだろう。かならず取れるはずだ。諦める理由にはならない」
そして、結果的にアメリカへ渡ってから4か月後に受けたTOEFLで合格点をとり、希望大学から入学許可が下りたのでした。
それはあなたの考えでしょ?
2010年、3つ目のタトゥーをどこに入れるか思案していた私に、当時のメンターはこう言いました。
「人目につくところにタトゥーを入れるな。そうすると、他人の何倍も努力しないと幸せになれなくなる」
それを聞いたときは何やら恐ろしい宣言みたいでショックを受けましたが、その日は夜遅くまで寝ずに一人で考えたのです。
「先生はあぁ言うけど、あれは先生の考えなんだ。私の真実にする必要はない。私は私が入れたいところにタトゥーを入れて、その責任を自分で負って生きて行けばいいだけ。いくら先生と言えども、私にアレコレ指図する筋合いはない」
そして、左手首に入れたタトゥーは今でもそこにあります。
私たちはどうしても、メンターや目上の人の意見に流されてしまうことがあると思います。でも、自分の人生の舵取りは常に自分であることを忘れず、自分の頭でしっかり考えて、自分で決断する癖をつけてください。
それが人生では一番大事。
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