自分の中にある要素なのにも関わらず自分で受け入れられていないものを、他者の中に見出してイライラしてしまう現象を、シャドー投影と心理学では呼んでいます。
典型的なシャドー投影とは:
- ゴミのポイ捨てをする人を見るとイライラする
- 不倫する芸能人が許せない
- 店員さんに横柄な態度をとる人が苦手
- 働かずに夫に養ってもらっている女が許せない
など。
こういう感じ方がある人は、ズバリ言ってしまえば「べきべき」「ねばならない」思考が強く、ジャッジメントのエネルギーを沢山持っている人です。
ジャッジメントとは、自分の「べきべき論」を振りかざして他者を裁く姿勢のことです。
私はと言えば、街でときたま上に挙げたような人たちを見かけますが、イライラもしなければ「けしからん!」とも思わない、ただ単に「そこに人がいる」という程度にしか感じません(笑)。
今ではそんな風な私ですが、若い頃には他人にイライラしっぱなしでモヤモヤしてばかりの時もありました。
長年に渡り自分の内面を統合する作業を続けてきたからこそ、今では他者の振る舞いに気分を害すことが少なくなっただけ。
人間は、自分自身に禁じていることをやっている人を見るとイライラする生き物です。
「できることなら私だってやってみたいけど、やるべきではないから、こんなに我慢してやらないように気を付けているのに、なぜあの人はあんなに堂々とやっているの?許せない!」という訳です。
やりたかったら自分もやればいいだけの話。
でもできない、いや、絶対にやってはならないと思い込んでいるのは、「社会的好ましさ」や規範意識(べきべき、ねばならない)があるからです。
だからと言って私自身がゴミのポイ捨てをしているとか、不倫しているとか、店員さんに横柄な態度をとっているとかではありません!(笑)。
そうではなく、私は私自身の価値観に従って生きればいいだけで、赤の他人が何をしていようと、関心も興味もないだけの話です。
私のシャドーの話をすれば、私は「食べ方が汚い人」が苦手です。北米・ヨーロッパで5年余り暮らしたときに、アジア人の食べ方がすごく汚いことに気づいて以来、私自身は食べ方に気を付けてきたからです。
カフェでパスタをラーメンのように音を立てて口に啜り込んでいたり、コーヒーをズズズズーっとすすり上げたりしている人を目撃すると、思わず少し離れたくなります。
そう感じる度に、「あー私のシャドーがうずいているなぁ(笑)」と思いますが、やがて統合されることも知っているので、さほど気になりません。
「統合される」とは、「汚い食べ方をする」ことを、自分にも他人に許可するということです。それは気持ちの持ちようの問題なんです。
もしも他者の振る舞いが気になって仕方がない、イライラしてしまって仕方がないというのなら、しっかりと自分の内面の統合に取り組みましょう。
あなたは自分の要素を外の世界のスクリーン(他者)に映し出してそれにイライラしているだけです。
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