福原愛さんの騒動 「本当の自分」からの逆襲

普段テレビを見ない私は、ニュースはネットで読みます。ここ数日は元卓球選手の福原愛さんの話題でもちきりですね。

私は福原さんについてはほとんど何も知りません。読んでみたニュースの中で、幼い頃よりご両親から卓球の英才教育を受けたときのエピソードなどが紹介されていて、ご両親の毒親っぷりがいかんなく現れていて驚きました。

この記事では「支配的な親に傷つけられた子供」「反抗期とは」と言うテーマで掘り下げていきます。

父親の支配

まず、福原さんのお父様のインタビューの抜粋をご紹介します。福原さんが14歳の頃のものです。

彼女なりの反発があったとしても、「その反発はこういう理由でおかしいんだよ、お前の間違いだよ」と説明してあげる。最初は向かってくるけれども、説明を重ねて、最後には納得する。その連続です。

福原愛の父「卓球王国」2003年9月

この言葉を読んだだけで、いかに愛さんが「人として尊重」されず、ご両親の言いなりに支配・コントロールされてきたのかがわかります。

愛さんは「最後には納得」しているのではなく「根負け」しているだけです。本当に納得している訳ではないので、抑圧された感情(憤り、怒り、悲しみ、絶望感など)は体内に停滞し続けます。

このような養育過程があれば、今の愛さんが相当量の抑圧を抱えて生きていらっしゃることは想像に難くありません。人生のいずれかで、帳尻を合わせようと押し殺された本当の自分が出てこずにはいられないのです。

今回の不倫騒動は、親から押さえつけられて育った愛さんの「本当の自分」からの逆襲であると私はお見受けしています。言葉を替えれば、「反抗期」のやり直しです。今まで押し殺してきた(押し殺されてきた)本当の自分が、「もう我慢できない!」と言って主張し始めているのです。

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支配しされる構図

それから、台湾人のご主人のモラハラ疑惑が取りざたされていますが、愛さんのように親に支配されながら育った人は、ほぼ間違いなく支配的なパートナーとカップリングします。

ヤフーニュースより愛さんの言葉を引用します:

私が太っていたら、彼は絶対に「痩せてる」とは言わない。また、着ている服がヘンなら、絶対に「美しい」とは言わない(ハートが強い!)。仮に私のマネージャーなら、妻や女友達に「この服どう?」と聞かれたら、無条件で「いいね。それ以外なにがある?」と答えますが、私の夫はそうじゃない。「君がダサい格好をなぜ他人に見せなきゃいけないの?」って、本当に思ってることを私に提案してくるんですね。それはつまり、私が外に出かける様子が美しくあることを望んでいるんです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff69cbc27bd2a712d94be9f500c9ac5d23862f18?page=2

これは、上にご紹介した愛さんのお父様と愛さんの関係性そのものです。

健全な自尊心と自己価値感が育っている女性なら、「今のお前は美しくないからもっと美しくなれ」的なことを言ってくる男には怒って去ってしまいます。妻は夫の見栄張りツールではないのですから。しかし愛さんには共依存があるために、こういう男性に我慢して尽くしてしまうところがあります。

ナルシシストと共依存者が強く惹かれ合ってカップリングするのは偶然ではありません。人間は、幼少期に親との間で構築した人間関係(エネルギーパターン)を、大人になるとパートナーとの間で繰り返し、自分の傷を癒そうとするからです。

愛さんは、支配的で押しの強い男性(父親像)に魅力を感じる傾向があり、「相手に合わせることで生存を図る」という生存戦略を持っているとお見受けします。自分の傷に気づき癒すことでこの不健全な共依存パターンを乗り越えることが成長課題でしょう。

反抗期とは

人間は生まれてしばらくはとても弱く、一人で生きていくことができません。

だからこそ、親(養育者)とある意味「一体化」することによって守ってもらい、この世界を生き延びていきます。幼児から幼少期にかけて、「自分と親」が混同していて、「自分はこういう人」という「自我」がまだしっかりと確立できていない状態です。

この頃はまだ「五感」によって世界を「感知」しているだけです。安全、怖い、不安、嬉しい、幸せ、ホッとする、悲しい、など、子供は世界を「感覚」を通して体感しているのです。

この時期の親の役目は、この世は安全で楽しい場所であること、子供が無条件で愛されていること「体感」させてあげることです。

少し成長してくると(4~5歳くらい)「私はこういう人間です」というものが芽生えてきます。それを「自我」と呼びます。自我とは、自分と他者を区別するために必要不可欠なものです。

「自分がない」とは自我が未発達な状態のことを指します。自我が発達する時期に何かしらの障害があってうまくいかなったケースです。逆に、「しっかりとした自分がある」「自律している」とは、健全な自我がしっかりと確立されている状態のことです。

さらに7~8歳になると脳の前頭葉が発達し、「思考」を通して世界を理解し始めます。

人間は思春期に入ると今までは一体化していた親と自分が「別の存在」であることに気づき、親の言う事を退けることで、「自分」を確立することを試みます。これが俗に言われる反抗期で、人間の成長・発展上きわめて重要で健全なプロセスなのです。

愛さんの場合、この健全なプロセスが、支配的な親ごさんによって封じ込められてしまったと思われるのです。封じ込められても(押し殺されても)無くなった訳ではないので、今それが「奔放な恋愛」という形で出てきているとお見受けします。

「反抗」の捉え方

日本では反抗することは悪いことのように考えられていますが、決してそうではありません。

もちろん、他者を傷つけたり犯罪を犯すことは「ダメ」と教えなくてはなりませんが、それ以外で自分のやりたいことや意見を主張することは、わがままや反抗ではありません。むしろ、エゴによって子供を支配しようとする親に対して子供が反発・反抗することは健全であり、絶対に必要なことです。

相手と自分の利害が対立したときに平和的に交渉できること、相手と距離を置けることや関係を解消することを教えるのは親の仕事ですが、「お前が間違っている」「相手が間違っている」という視点を子供に植え込むのは親のエゴです。

社会の中では反抗することが健全であるケースが多々あります。相手が言っていることが明らかに理不尽でおかしい場合、言う事に諾々と従うのではなく、「それはできません」とハッキリと断って自分の道を行けることは健全である成熟なのです。

アメリカではこのあたりの認識は20年以上前から確立されていますが、日本ではまだまだ意識できている人が少ないと感じます。

人間は、「自分という存在をちゃんと尊重してもらえる」と感じることができて、初めて他者を尊重することを知るのです。ですが、自分は尊重されていないのに「相手や他者のことを尊重しなさい」と教えられるのが日本の大方だと私は感じています。

本物の素直さとは

親の言う事を何でもよく聞いて従えることが素直さなのではありません。それは単なる従順です。

本物の素直さとは、自分のやりたいことに向かって真っすぐに進んでいけることです。そこに障害があれば、たとえそれが親であっても衝突を恐れず、自分を信じて進んでいけること。それこそが本来の素直さというものなのです。

にも拘わらず、「親の言う事を何でもよく聞いて従えることが素直さである」と多くの人が思い込んでしまっている背景には、親のエゴがあります。子供を自分の思い通りに動かせた方が親の都合は良いですから、子供を固有の人格として尊重せず、「親の言う事を聞かせよう」とするのです。それは単なる支配・コントロールです。

反抗期にしっかりと親との間の臍の緒を切ることに成功した人は、自分を大切にすることを身に着け、本当の自分で生き生きと生きることができます。「臍の緒を切る」とは、親と自分との境界線をしっかりと引き、自分は親とは違う人間であるとハッキリと宣言することです。

しかし、大人になっても親の支配から抜け出せない人は、今回の愛さんの騒動のように、どこかアンバランスで過激な方法で自分を解放しようとするのです。陰湿でため込むタイプの人なら大病を患ったり大きな事故にあったりします。

本物の素直さを身に着けるために、しっかりと反抗期をやり切ることは極めて重要なのです。

境界線テスト

あなたがどれくらい境界線が引けているかを測ってみましょう。

1 / 20

あなたのパートナーは見栄っ張りで、すぐにカードを切って奢ってしまいます。こんなときあなたは:

2 / 20

あなたの10代の子供はスマホが大好きです。料金を支払っているのはあなたです。子供はあなたが使用量をチェックすることに抗議してきました。こんなときあなたは:

3 / 20

あなたはレストランで食事をしています。 近くのテーブルの人たちがお酒を飲んで大騒ぎし始めました。あなたは食事や会話を楽しむことが出来ません。こんなときあなたは:

4 / 20

家族や親せきの中には、あなたの私生活 について詮索し、聞いてもいない余計なアドバイスをしたがる人たちがいます。お盆や正月が憂鬱です。こんなときあなたは:

5 / 20

友人の一人が、人が大勢集まる場所であなたに関する不適切発言を連発し、あなたは気分を害しました。こんなときあなたは:

6 / 20

家族の一人が「今月は財布が厳しい」と 言ってきました。もうすでに何度かお金を貸しています。今回は「子供に自転車を買ってやりたいから1万円貸して欲しい」と言っています。あなたは:

7 / 20

友人があなたの家へ子連れで遊びに来ました。目を離したすきに、子供があなたの家具に落書きしました。友人を見ると、悪びれた様子もなく笑っています。こんなときあなたは:

8 / 20

あるセミナーを受講中に、講師がクラス全員の前であなたの短所を批判し、あなたは居たたまれない気持ちになりました。こんなときあなたは:

9 / 20

同僚の仕事の納期が間に合いそうもありません。あなたに「手伝ってくれ」と頼んで来ました。あなたには同じく納期が迫った仕事があります。こんなときあなたは:

10 / 20

数人で旅行へ行きました。あなた以外の全員は、博物館へ行きたいと言いますが、あなたは行きたくありません。こんなときあなたは:

11 / 20

上司があなたの仕事の成果を自分のものとしてプレゼンしていることを知りました。こんなときあなたは:

12 / 20

あなたのアパートで飲み会をすることになりました。会がお開きになってみんなが帰る頃には、家の中はひどいありさまになっていました。こんなときあなたは:

13 / 20

海外旅行へ出かけてヒッチハイクにチャレンジしました。たまたま乗せてもらったのは若者たちの車で、スピード違反や危険運転を繰り返し、あなたは生きた心地がしません。あなたは:

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何か月も会っていない兄弟姉妹が、ランチの約束をドタキャンしてきました。「近いうちに埋め合わせする」と言っていますが、ドタキャンされたお陰でスケジュールが空いてしまいました。あなたは:

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子供の学校のPTAで代表者を選出しなくてはなりません。立候補する人は誰もいません。あなたも忙しくて余裕がありません。こんなときあなたは:

16 / 20

親しい友人から連絡が来て、「仕事で嫌な ことがあったので、今夜飲みに付き合って欲しい」と言われました。あなたにはすでに予定があります。こんなときあなたは:

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あなたの同居人は仕事が忙しく家事を全くしません。あなたが一切の家事を担当しています。あなたの中に不満が蓄積しています。こんなときあなたは:

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ようやくプロジェクトが片付き、待ちに待った休暇へ出かけるところです。ところが、こんなときに限ってクライアントから急ぎの仕事の依頼が入りました。あなたは:

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あなたの息子はお酒が好きで、毎晩晩酌をします。今日も夕食前にビールを 開けて飲もうとしています。こんなときあなたは:

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上司から、あなたのミスではないことに関して「謝罪するように」と言われました。あなたは自分が悪いとは思いません。こんなときあなたは:

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境界線の引き方についてはこちらの E-Book をご参照ください:

親のエゴとナルシシズム

「子供のためを思って」というのは毒親が使う常とう句です。事実は親は自分のことしか考えていないのです。子供を自分の思い通りに操ることで自分の利益を得たいだけ。それを「あなたのためを思って」という言葉で巧に隠すことを、英語ではガスライティングと呼びます。屁理屈で相手を翻弄して丸め込もうとすることです。

子供に対して支配的に振舞う親もまた、自分の親から支配されてきた犠牲者です。親から尊重されていないので、自分の子供を尊重することもできないのです。このことを親自身が自覚し、癒しのプロセスを経るまで、支配・コントロール・虐待は世代連鎖していきます。

「健全」な関係とは

毒親を描いたドラマではアメリカで20年以上前に放映されていた「ギルモア・ガールズ」がお勧めです。子供を尊重しない親とはどんなものか、その親から自律した子供とはどんなものか、不健全な人間関係、健全な人間関係とはどんなものか、とてもよくわかります。

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この記事では福原愛さんの騒動をきっかけに「支配的な親に傷つけられた子供」「反抗期とは」と言うテーマで書いてきました。

まだとても若い愛さんは、これからの人生を通して、幼少期から今まで抑圧してきたものを解放し欠けている心を修復するプロセスを要します。そのために数々の経験をなさることでしょう。私はこれからも見守りたいと思います。

支配的な親に尊重されずに傷つけられて大人になった多くの人たちが、本当の自分を回復し、自分らしく幸せに生きられることを祈るとともに、微力ながら応援しています。

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