本当の意味で自立できている人というのは、「自分にしがみ付ける」人です。
自分以外の「誰か」や「何か」に心の拠り所を求めていたり見出したりしている人は、自立することができません。
人によって相手はパートナーだったり、親友だったり、師だったり、占い師だったり、カウンセラーやセラピストだったり、宗教団体だったりするわけですが、こういう人たちはいつか「ソレ」を失うという経験をして、また「振出しに戻る」結果となります。
自分が自分の親になる
私たちは、いずれかの時点で、「自分が自分の親になる」ことを通して、自分の中の「陰陽バランス」を統合するプロセスへ入っていきます。
「陰陽バランス」とは、「男性性と女性性」「男らしさと女らしさ」のことです。
私たちは誰しも、「理想の親」を求めながらも実際にはそれとは程遠い「人間臭い両親」に育てられました。
「もっとこうだったらよかったのに」と、何度思ったことかしれません。
ようは、「もっとこうだったら」の部分を自分が体現し、自分に与えていくプロセスを経ることで、自分自身を育て直すということです。
自分が「理想の父」を体現する
私には「自分らしいやり方で生きていく」という夢があります。
人によってそれは「ファッション・デザイナー」だったり、「コメディアン」だったり、「アーティスト」だったりするでしょう。
もしも「理想の父」だったら、どんな風に私を応援してくれるだろうか?
「そうか、君には夢があるんだな。私(父)にはその道のことはよくわからないけれど、君ならきっとできるだろう。簡単なことばかりではないかもしれないが、私にできるサポートは惜しまないから、思う存分やってみたらいいよ」
こんな風に応援してもらえたら、きっと私は「安心して」「自分を信じて」夢に向かって進んでいけるだろうと思います。
ようは、「コレ」を自分で自分にしてあげるということです。
父性(男性性)の役目とは、子供に ① 「目標を持つことの大切さ」を示し、②「自分を信じて努力を積み重ねることの大切さ」を説き、③ 目標を達成する「素晴らしさ」を教えてあげることです。
しかし、自分自身の中に未解決の劣等感や無力感や恥を沢山持っている父親は、自分の子供に対してこういう力を発揮してあげることができません。
「お前は何を考えているんだ、そんな夢みたいな地に足のつかないことを言っていないで、現実を観ろ」
みたいな発言をし、子供の心を傷つけ、自信を奪い取ってしまいます。
父親自身がそういう生き方しかできてこなかったからで、ある意味子供に嫉妬しているわけです。
だからこそ、「実際の父がどうか」は横へ置いておいて、「理想の父」を自分が演じて自分を支える。
そうすることで、自分の中に「健全な男性性(父性)」を育てていく訳です。
自分が「理想の母」を体現する
「理想の母」も同じです。
物事がなかなかうまく行かなくてツライとき、自分を信じられなくなるとき、何かに包まれて休みたいとき、「理想の母」ならどんな風に励ましてくれるだろうか?
「疲れちゃったの?じゃぁ少し休みなさい。何も毎日頑張る必要はないのよ。たまには好きな物でもいっぱい食べて、沢山眠ればいいの。元気が出たら、またやり直せばいい。遠慮なんて要らないのよ、今日はあなたが好きな物を沢山作るから、いっぱい食べてね」
ジャッジせず、否定せず、叱咤激励せず、ただ包み込んで休ませてくれる、必要なものを与えてくれる。
それが母性です。
母性(女性性)の役目とは、「あなたは存在しているだけで素晴らしい」「ここにいてくれるだけで母さん嬉しい」「そのままのあなたでいいのよ」と、一切のジャッジメントを取り払って全面的に存在を肯定し受け入れ、包み込んであげること。
子供に安心感と安全感を与え、世の中に出た後でも、戻ってこれる心のスペースを創ってあげることです。
しかし、自分自身の愛情不足が癒えていない母親は、弱い我が子を受け入れるだけの余裕がありません。
「何泣き言いってんの」「うるさいなぁ、そんなことイチイチ言ってこないでよ」などと突き放し、子供の心を更に傷つけてしまいます。
母自身が丸ごと受け入れられた経験を持たないので、自分の子供に対してもそうしてあげられないのです。
だからこそ、「実際の母がどうか」は横へ置いておいて、「理想の母」を自分が演じて自分を励ます。
それを通して、自分の中に「健全な女性性(母性)」を育んでいく訳です。
それを「毎日の生活の中で継続する」こと「のみ」を通して、実際の力が育まれ、陰陽バランスが少しずつ統合されていきます。
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