私たち人間は、無意識のうちに「自分のフィルター」を通して世界を観ています。
潜在意識の中にどういう設定や刷り込みや信念を持っているか、自分にとって何が問題か、自分にとって何が理想かということを、無意識の内に世界に投影してそれを観て生きているわけです。
そしてそのフィルターは人によって全く違う。
2018年、「インドネシアで暮らしたい」と考えて方法を思案していた時期がありました。
一番問題だったのはビザでした。
インドネシアは移民を受け入れない方針の国なのでビザを得ることはことの外難しく、合法的に滞在するため2~3か月に一度の割合で近隣諸国へ出国して観光ビザを更新している外国人が多いと聞きました。
それを考えたとき、まっさきに私の脳裏に反射的に浮かんだのは、「体力もたないな」ということでした。
若い時ならいざしらず、44歳の自分が2~3か月に一度の割合で飛行機に乗ってシンガポールやブルネイとインドネシアの間を行き来するのはしんどすぎる。身体がとても持たないと思ったのです。
※ ちなみに日本の方ブルネイをご存じない方多いです、みんな!もっと地図見て!
実際、香港ーインド間を飛んだだけで、エコノミー症候群から回復するのに4日くらいかかる私なのです。
ところが、2~3か月に1度出国しなくてはならないとある知人に話したときに、その人はすぐさまこう言いました。
「わぁ、お金、かかっちゃうよねぇ」。
その時に私はハッとして、「あ、この人にとっての問題は、お金なんだ」と気づいたんです。
私にとっての問題は「加齢による体力の低下」、その人にとっての問題は「お金」。
「2~3か月に一度インドネシアから出国しなくてはならない」という状況自体は問題とはなり得ず、そこに「自分のどんな問題を投影するか」で「問題の内容」が人によって変わるということにその時に気づいたんです。
人は、本当に様々な「自分にとっての問題」を私に投影してくるなぁと、それ以来実感してきました。
ある人は私にこう言いました。
「ももちゃんも、まだまだイケるってことだよ」
何それ、まるで私が「私はもうイケてない」って思っているかのような口ぶりだけど。自分はもうイケていないって思ってるのは、私じゃなくてアナタでしょ。
「Aさんみたいな人は、社会に適応できないよね」という人もいました。この人は「自分が社会に適応できないんじゃないか」と恐れている人ですよね。
ちなみにAさんは、私の目からはごく普通の人に見えます。
本当に、人間て見事なまでに「自分にとっての問題」を外の世界や相手に投影してそれを観ているものなんですよ。
今回は簡単な例でしたが、わかりやすいかなぁと思います。
自分が外の世界や相手に「何を」投影しているかがわかれば、自分が何を「問題だ」と捉えているかがわかります。
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