断捨離というのは、単に「不要な物を処分していく」作業のことではありません。
最終的に「自分の生活に必要かつ一番好きな物たちだけ残す」整理術のことです。
自分の生活を「自分の好きな物」だけで固めていくと、人生に対する満足度や幸福度は爆上がりします。
その辺りは「こんまり」さんが提唱している通りだと思います。
「いつも笑顔で」とか、「笑顔で一日を始めよう」とかいろいろ言いますけど。
「嫌なことがあっても、嫌な気分でも、それを抑えて、できるだけいい気分で過ごせるように、笑顔でいることを心がけましょう」っていう意味じゃないんですよね。
「いつも自然と笑顔になってしまうほどご機嫌でいられるよう、自分の生活全般を整えていきましょう」っていう意味です。
それを実現するためには、どうしても「人生の断捨離」が必要なんです。
私自身、何年もかけて「人生の断捨離」を断続的に続けて来ました。
そのお陰で、現在の自分の生活に対する満足度は95%という高数値をマークしています。
だから、来る日も来る日も毎日気づけば無意識のうちに鼻歌が出ているし、生活にストレスがないので、他者に対して寛容で優しい態度で接することができます。
断捨離するのは何も服や物だけでなく、人間関係や仕事も含まれます。
これらを「捨てるかどうか」の判断は、服や物に比べて「難しい」と感じることがあるかもしれません。
この記事では、私なりに、人間関係や仕事の断捨離基準をまとめていきたいと思います。
自分の中にある制限は一切排除して考えること
多くの方は、ご自分が持っている「制限の中」で物事を考えようとなさいます。
例えば、仕事だったら「自分は事務しかできない人だから、会社に着ていける服は限られている」と、まず制限ありきでその範囲内で物事を考えようとする。
でもそれは本末転倒なんですよね。
それでは「本当に自分が満足できる回答」は出てきません。
一切の制限を取り払って、「理想の世界の自分」ならどんな風に生きているかを想像しながら考えるのが「自分が1000%満たされる断捨離」の鍵です。
人間関係を断捨離する
まずは人間関係の断捨離です。
私たち人間が受けるストレスの実に8割方は人間関係にあると言っても過言ではありません。
今の私は人間関係でのストレスがゼロですが、それは、私が長い時間をかけて「付き合う人」の基準を設け直して、「誰を自分の人生に入れるか」を厳しく精査してきたお陰です。
「自分が本当に満足できる人間関係」を持ちたかったら、まずは、今ある「有害な人間関係の断捨離」をするのが先なのです。
まずは、今ある人間関係をすべてノートに書き出して「可視化」します。
知人・友人から始まって、家族・親族・親戚、師弟関係や付き合いのある美容師さんや主治医なども含めます。
それが終わったら、一つひとつの関係を見直して、その関係が「健全かどうか」「相性が良いかどうか」を精査していきます。
「健全な人間関係」とは、お互いが相手に対してNo.と言い合える関係のこと、そしてお互いが相手を尊重し合える関係のことです。
「相性が良い」関係とは、お互いNo.と言い合えることに加え、双方の利害調整がストレスなくできる関係のことです。
例えば、「土曜日は都合が悪いけれど来週の水曜日なら都合がつけられる」と相手から言われた場合に、自分もそれをストレスなく受け入れられるということ。
逆もまたしかり。
自分はパートナーとは「週1回」の頻度で会いたいのに、パートナーは忙しくて月1回会えるのがやっとという場合、あまり相性が良い関係とは言えません。
話し合って歩み寄る余地がない場合は断捨離対象となります。
古い時代の価値観
- 付き合いの「長さ」を重視する
- 血縁は切れない
- 知り合いやフォロワーの数が多いほど良い
- 「好き」という気持ちさえあれば何とかなる
かつてはこういう価値観が大切にされた時期もありましたが、今の時代にはそぐいません。
まったく新しい自分らしい基準で人間関係を見直していきましょう。
新しい時代の価値観
- 付き合いの「長さ」ではなく「内容」や「質」を重視する
- 血縁でも自分にとって害になる関係は切らなくてはいけない
- 「数の多さ」ではなく「質の高さ」
- 「好き」という気持ちがあっても「相性の悪さ」は努力では乗り越えられない
断捨離する人間関係
- その関係が自分にとってストレスという「毒」や「害」を受けるものである
- 対等ではない、上下関係や支配する・される関係になっている
- 相手に対してNo.と言えない、あるいは相手が自分に対してNo.と言うのを遠慮している
- 義務感や責任感だけで繋がっていて相手に対する愛着や愛情がない
- 友愛や友情からではなく「利害関係」だけで繋がっている(互いを利用し合う関係)
- 自分の足を引っ張る人、あるいは自分が相手の足を引っ張っているケース
残す人間関係
- 自分にとって「養分」や「栄養」となる人間関係
- 自分を励まし支え応援してくれる人
- 一緒にいる時間が楽しい相手
- 愛着や愛情が自然と湧き上がる相手
私が断捨離した人間関係の例を挙げれば、私に対していつも上から目線のアドバイスばかりをしたがった男友達がいました。
彼とは10年来の付き合いでしたが、あるときほとほと彼の言動に嫌気が指したと同時に怒りが湧き上がり、何も言わずに連絡先をブロックして断捨離してしまいました。
彼は周囲からは「良い人」と思われているので、自動的に私もそう思い込んでいたのです。
ですが、私に対する彼の態度はナルシシスト(自己愛性ー俺っていいヤツすごいヤツ、だからお前にもアドバイスしてやるよ)そのものでした。
周囲の評判という鱗が目の中に入っていて、彼の本当の姿が見えていなかったのです。
断捨離してからはもう彼の存在に悩まされることがなくなったので、ストレスが一気に消滅しました。
自分と相手にとって「良い影響」となる人間関係はそんなに多くはありません。
そして、人間関係とは人生を通して常に入れ替わり変化していくものです。
一つの関係に固執することなく、自分と相手の精神衛生にとってベストな関係だけを残し、後は清算していきましょう。
仕事を断捨離する
かつての私は、「仕事の依頼」が来れば「来るもの拒まず」状態で受けていました。
自分の家から遠く離れた場所での通訳の仕事や、条件が厳しい内容の仕事でも、すべて引き受けていました。
「仕事の依頼を断ってはいけない」という思い込みを持っていたからです。
それが原因で、「仕事」は私の生活における最大のストレス要因となっていました。
- 移動がツライ
- それにかかる経費や途中で買う食事やドリンク代など出費がかさめば、報酬はとても満足の行くものとは言えない
- それっぽちの報酬を稼ぐために自分が払わなくてはならない代償が大きすぎる
- 苦手な顧客と過ごす時間が苦痛
- 仕事が終わるとぐったりと疲弊して回復するまでに時間がかかる
そこで、いつ頃からか「自分の気持ちが重くなる」仕事はすべて断ることに決めたのです。
断捨離する仕事
- やる気が自然に湧きおこらない仕事
- どこか無理しないとできない仕事
- 考えただけでも気が重くなる仕事
- 報酬に満足しない仕事
- 苦手な顧客の仕事
- 頑張らないとできない仕事
自分にとってストレス要因となっている事柄を書き出してリスト化し、それらが含まれた仕事は一切やらないポリシーを作りました。
すると、仕事に対する「苦手意識」が一気に小さくなり、ストレスを感じることが激減したのです。
拡大していく仕事
- 「やりたい」という気持ちが自然と湧きおこること
- アイデアや閃きがポンポンと湧き上がること
- 自分にとって楽しいこと
- 報酬が満足できること
- 思わずやってしまうこと
こういうことは「頑張ら」なくても自然にできるし、思わず熱中しているうちに時間が過ぎていきますので、自分にとっては楽(らく)で楽しい遊びのようなものです。
そういう事柄だけで仕事を埋め尽くしてから、私は「仕事が大好き」な人になりました。
仕事をする場所を選ぶ
「どんな場所で」仕事をするか、は、とても重要な要素です。
私は「自宅」で仕事をすることが多かったのですが、いつ頃からか「閉塞感」と「孤独感」に悩まされるようになりました。
おまけにいつも腰が痛かった。
そこで、「どこで仕事をしたい?」と自分自身に尋ねてみたことがあったのです。
その結果、今では近所のカフェか、ホテルの図書室で仕事をするスタイルに移行しています。
自分がハッピーで嬉しく集中できて、仕事の質も各段に上がることが判明したからです。
仕事で着る服を決める
次に、「どんな服を着て」仕事をするかを考えます。
人によって答えは変わってくると思いますが、私にとっては「自分が好きな服」を着て仕事できることが絶対条件でした。
着ていると気分が良くなってテンションが上がる服。
例えば、企業でOLなんかしていると、本当は着たくないけど着なくてはいけない服があったりしますよね。
無難なカットソーとかジャケットとか。
ですがスウェットやTシャツやオーバーサイズのシャツが大好きな私です。
だから、そういう服を着てできる仕事でなくてはなりませんでした。
それから、私はピアスが大好きなので、ユニークなピアスができることも絶対条件でした。
一緒に働く人たちを選ぶ
自分は「どんな人たち」と仕事をしている時が一番快適か。
それを知ることは今後の人生において「宝」となります。
自分は一人で仕事をするのが向いているのか、それとも仲間が必要か。
私は断然「一人でする派」で、以前ビジネスパートナーの話もいくつかありましたが、ストレスが甚大ですぐに辞めてしまいました。
何事もそうですが、「ストレス」が幸せの最大の敵なのです。
自分の生活を「いかにストレスなく過ごせるか」に集中して作っていくことが、私たちの役目なのです。
もしもそうできない場合、まだ手放していない固定観念や信念が残っているということです。
断捨離を続けていくうちに、自分にとって最適な仕事のスタイルが出来上がっていきます。
この記事では、人間関係と仕事の断捨離の仕方について書いてきました。
ようは自分の生活のすべてのエリアにおいて、「自分の好きな物、大切な物」だけを残して固めるのが最終目的なのです。
今ある現状を見回して、自分にとってストレスになる人間関係や仕事が山積みという場合は、ここに書いた基準を参考にして断捨離に取り組んでみてください。
今すぐに断捨離できないものでも、最終目標を明らかにした上で、数年スパンでそれに近づけるように少しずつ進めて行けば良いのです。
数年後にはきっと「グッと」気分が良くなった自分に出会えることでしょう。
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