「手のかからない子」が30歳すぎに人生が崩壊する理由

「お姉ちゃんは好き嫌いなく何でも食べる。学校でいろいろあるのかもしれないけど自分で完結するというか、手がかからないから楽なんだけど。でも、弟くんは好き嫌いも多いし、ママと離れると寂しがったりグズったりするから手がかかって大変で、、、」

こういう悩みはよく聞きます。

この場合、30代以降で人生が崩壊するのはお姉ちゃんの方です。

引きこもりやうつ病を発症したり、DVやモラハラの被害者になったり。

これはほぼ確定路線です。

弟くんは、まぁ大丈夫。

なんだかんだあるとは言っても、きっと人生をしっかりと歩んでいけるでしょう。

私のブログの読者の方ならおわかりだと思いますが、弟くんは自分に正直で等身大の自分を出せているからです。

一方、お姉ちゃんはママに嫌われることを怖れて「良い子」を演じてしまっている

こうなってしまった要因は、子供の頃、等身大の自分で寂しい、悲しい、痛い、ツライを表現したとき、親からこんな言葉を投げつけられたから:

  • どうしてママを困らせるの?
  • お願いだからわがままを言わないでちょうだい
  • あなたがそう言うと、ママは〇〇できなくて困るのよ
  • お願いだからママの足を引っ張らないで
  • お願いだからママが気持ちよく働けるようにいい子にしていて
  • どうしていい子にできないの?

私自身、母親から嫌というほどこれをやられてきました。

こういう言葉を子供に投げつけてしまうのは、母親自身が癒えていないからです。

自分の痛みを無意識のうちに子供に出してしまう。

すると、子供は不要な罪悪感を植え付けられてしまいます。

そして、正直に自分の感じ方を表現することは「ダメなこと」「わがまま」なことと刷り込まれ、「本当の自分を表現できない」人へと成長していくわけです。

よしんば正直者で本当の自分しか生きられなかったとしても、「そういう自分はダメ」だと、強い自己否定感に苛まれることとなります。

私はモロにこのタイプでした。

結果、大人になったときにパートナーや周りに対して素直に自分の気持ちを表現できなかったり、寂しいときに「会いたい」と思うことは「わがまま」だと思い込んでいたり。

その一方で折り合いがつかない自分の欲求を、相手を支配・コントロールすることで満たそうと、心理操作的な人になったりしていました。

無意識に抑圧された「本当の自分」は消えてなくなったわけではないので、歪んだ形となって発露してくるわけです。

メンヘラになったり、相手を束縛・コントールしたり、愛情を試すためにわざと相手を嫉妬させるような言動をして、最終的には大切な人を失う経験を繰り返します。

結婚後はDV、モラハラの被害を受けたり自分の子供が引きこもりになったりと、数々の問題が押し寄せます。

それは、この人が自分の内面が分裂していることに気づき、本当の自分を統合するまで続くわけです。

本当の自分を統合するとは、ありのままの自分の気持ちや感情を真っすぐに表現できるようになること。その自分で生きられるようになること。

世の中に、「手のかからない子」なんてものはそもそも存在しません。

子供と動物は手がかかるものなんです。

でも、等身大の自分で振舞ったときに、親から叱られたり拒絶されたり自分を否定されたりした経験を重ね、「良い子を演じる」という生存戦略を身につけてしまっただけ。

自分の本当の感じ方を自分から切り離して抑圧してしまっただけ。

もともと一つの統合体だった「意識」が、顕在意識と無意識とに分裂した瞬間です。

「良い子」を演じる人の問題は、本当の自分と長いこと断絶されていたために、「自分が何者か」すでにわからなくなっていることです。

今、自分は何を感じているのか、何はしたくて、何はしたくないのか、何が好きで、何は嫌いなのか、わかりません。

幼少期より、「好き嫌いの無い子」を演じてきたからです。

子供を自分の思い通りにしようとする親御さんは後を絶ちません。

花の種を植えて育て、咲いた花が自分の思い通りではないからといって、「色を変えろ」とか「形を変えろ」とか言いますか。

言わないですよね。

ではなぜ自分の子供に対しては言ってしまうんだろう。

それは、子供を自分の所有物だと思っているから。

自分も自分の親からそう扱われてきたから。

考えてみれば、自分の友達を思い通りに動かそうとしたり、あれこれと命令口調で話したり、嫌味を言って相手の行動をコントロールしようなんて思う人は少ないですよね。

相手が他人なら、遠慮があるからです

つまり、自分の子供に対しても適度な「遠慮」を持って、適切な距離をとり、丁寧に接する必要があるということ。

相手は一つの人格を持った人間だからです。

ヨーロッパや北米など意識レベルが高い地域では、それは「当たり前のこと」として認識されています。

でも、日本やアジア諸国ではまだまだ個が確立した人が少なく、他者との間で癒着・依存関係を続ける人が多い印象があります。

一つの人格として尊重して接してもらった子供は、自尊心が高く自己肯定感が高い大人に成長します。

一方、親に所有物として扱われ、親の思い通りに振舞わないお前はダメな子だ、というメッセージを受け取り続け子供は、自尊心が低い自己否定が強い大人に成長します。

親が果たす役割は大きいです。

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