問題がないところに問題を作り出し、「それを解決しようと奮闘する」ことで「本当の問題」から逃げ続けようとするるのは、エゴがよく取る逃避手段の一つです。
ネットでときたま見かける話に、そういう例が沢山あります。
この記事では(大変失礼ながら)その内の一つを取り挙げて、メカニズムを解説してみたいとおもいます。
目次
自分の問題を見ないフリをする
Aさん(女性)は妹とルームシェアして暮らしていた。しかし、この度諸事情により別々に暮らすことになった。今まで二人で払っていた家賃と光熱費を一人で払うことに経済的厳しさを感じている。付き合っている30代の彼は実家暮らしでデートはもっぱらAさんの家。彼が無邪気にガスや電気を使いまくことや自分の金銭的負担が大きいことに不満を募らせている。そんなAさんは彼に「同棲」を提案するが、彼の答えは「今は実家を出る気はない」。Aさんは、彼はもしかして「こどおじ(子供部屋おじさん)なのでは?」と考え始めるようになった。どうしたら「こどおじの彼」と同棲できるかと「奮闘」を続けている。 |
先に「本当の問題」は何かを書いてしまうと、Aさんが「自分には生きていく力がない」と思い込んでしまっていることです。
Aさんの潜在意識の中に、「自分は生存能力がない」とか「自分一人では生きられない」など、生存能力に関してネガティブなセルフイメージがあるわけです。
そのセルフイメージが、「経済的に厳しい」という状況として目の前に具現化している。
ただそのことにまるで自覚がない。
この状況に際しAさんがやるべきことは、「経済的に厳しい」という状況を鏡にして自分の内面と向き合うこと。
「新しく健全なセルフイメージ」を作り直すことにより、自立して生きられるように成長することです。
あらゆる困難な状況は自分が成長することでしか乗り越えられません。
しかしAさんはそれをしようとせず、「彼と同棲すること」で自分の厳しい状況を「解決」しようとしています。
彼に依存している訳です。
Aさんはまだ自分の問題や弱さを直視できていません。
エゴは責任を転嫁する
Aさんは「彼と同棲さえできれば、問題は解決するはず」と思い込んでいます。
そう思い込むことで、自分の弱さから目を背けています。
しかし彼は「今は実家から出る気がない」と、明確すぎるほど明確な答えを出してしまっている。
それ自体はまったく「問題」ではありません。
本来であれば、Aさんは彼の意志を尊重しなくてななりません。
しかし、Aさんは彼を自分の思い通りに変えようと奮闘してしまいます。
そうしてしまう原因は、Aさんにとって「同棲を断られたら困る」事情があるからです。
経済的に困難な状況を抱えているのは、彼ではなくてAさんだからです。
この問題の根底は、Aさんのセルフイメージが低すぎるために経済的に自立できないことですが、Aさんは「彼がこどおじだから同棲できなくて困っている」と問題をすり替えています。
そうすれば、「問題は自分ではなくて彼にあるのだ」という詭弁が成立するからです
そうしている間は「本当の自分の問題」と向き合うことから逃げ続けられるんです。
問題は常に自分の内面にある
この「問題」は、Aさんが「本当の自分」と向き合うまで解決しません。
たとえ、今の彼と別れて別な人と付き合ったとしても、本当の問題(自分のセルフイメージの低さ)に取り組まない限り、また別な状況で問題を作り出し、延々と「問題解決」へと逃げ続けるだけなのです。
こういう例は、ありふれています。
本当の問題は、常に自分の中にあります。
目の前にある現実は、自分の内面を映し出す鏡。
「経済的困難」というのが映っている問題で、原因は「自分は生きていく力がない」という思い込みです。
そこさえ見据えることができれば、この問題は消滅します。
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