この記事では「頼ること」と「依存すること」の違いについて書いていきたいと思います。
目次
「頼る」とは
「頼る」とは、自分にできない何等かのことを他者にお願いして解決してもらうことを言います。
簡単な例でいえば、私たちは日々の生活に必要なインフラを整えることを行政に頼っています。
上下水道や道路を整備したり、ゴミを回収して分別してもらったりすることです。
その代償として税金を納めています。
これらのことを個人で行おうと思えば大変なことです。いくらなんでもそれは無理だから、行政に頼るわけです。
「依存する」とは
一方「依存する」とは、本来自分でやるべきことをいつまでも他者にやらせて自分が成長することを放棄することです。
インナーチャイルドが癒えていない人は、幼い頃両親に気持ちわかってもらえなかった、寄り添ってもらえなかった心の傷がうずくので、その穴を他者に埋めてもらおうと躍起になります。
友達やパートナーに対して「気持ちわかって」「もっと寄り添って」とやって相手から敬遠されてしまいます。
こういうこと(気持ちわかる、寄り添う)は本来であれば自分で自分に対してやらなければならないことですが、その力が育っていないので、他者に依存せずにはいられないのです。
「依存」とは、他者なしでは生きられない状態のことを指します。
「頼る」と「依存する」の線引き
アメリカ留学時代に、2歳下の日本人留学生Yと仲良くしていました。
アメリカは日本以上の車社会ですが、Yは車を持っていませんでした。そこで、車が必要なときにはいつも私が面倒を見ていました。
いつごろからかYは、私がいつでも車を出すことを完全に当てにするようになりました。電話一本で「お願い」とさえ言えば、私が喜んで送り迎えをするように思い違えているのでは?と感じられる節があったのです。
本来であれば、Yが自分で免許を取得して車を買って自立する必要があるんです。しかしそれにはお金も労力もかかるので、事情を察した私の親切心でライドを提供していたわけです。
しかしあまりにも当たり前のように電話がかかってくるのにイラっとし、あるとき「今日は忙しいからできない」と、断りました。
Yは賢い人だったのでその瞬間にすべてを理解し、それ以来私のライドを当てにしたり、私を個人ドライバーのように扱うことはなくなりました。
必要なことは頼っていいんです。
私たち人間は一人では生きていけないのだから。
でも、基本は自分のことは自分でやらなくてはならない。
当たり前のように他人に何かを頼んでいたら、それは人間関係に対して破壊的に作用するいい例です。
頼らなくてはならないとき
逆に、時には頼らなくてはならないときがあります。
よく、本当はセッションを受けたいのにやせ我慢をして受けに来ないクライアントさんがいらっしゃいます。
確かに、中には毎日のようにセッションを受けに来たり、毎週受けにきたりする方たちもいらっしゃることにはいらっしゃる。
少しでもツライ出来事があると自分で抱えきれなくなって、セッションを申し込んでしまう。
それは依存なので、そういうケースには「ご自分でなんとかしてください」とお伝えします。
ですが、本当にセッションを受ける必要があるときに「これは依存だ!」と勘違いしてやせ我慢をしているのは、単なる自虐です。
身体の症状と同じなんですよ。
例えば、皮膚に炎症が起こって痛みや腫れがあるときは、速やかに皮膚科を受診した方がよいでしょう。
「いいや、これは依存だ!」と言って、自分で何とかしようとシップを貼ったり市販薬を飲んだりしてやり過ごし、症状がすっかり収まってから皮膚科に行って経緯を説明しても意味がないんです。
何事にもタイミングというものがあるんです。
この場合「依存」とは、一度医者にいって処置をしてもらったのにも関わらず、毎日行かずにはいられないとか、完治するまで辛抱できずに患部をいじりまくって医者へ戻るとか、そういうことをいう訳です。
内面の整理が進んでご自身が健全化してくるとこの辺りの分別は自然とつけられるようになります。
自己価値感が高いと頼れる
最後に別の話をします。
自己価値感が高い人は、自分が得意でないことやできないことを無理してやろうとせず、他者を頼ることができます。
例えば、英語が話せない人が仕事で海外進出したいと考えれば、自己価値感が高い人は自分で英語を習得しようと努力することにリソースを使わず、専属通訳を雇うという方法で解決します。
私のように計算が大の苦手という人は、経理や税理関係のことは費用を払ってその道のプロにお任せしようと思える。
逆に、自己価値感が低い人は、自分の苦手なことでも克服して何とか身につけなくちゃ、とやってしまう。
そういう違いがあります。
ありのままの自分を受け入れて自分の不得意分野を他者に任せるのは、依存ではありません。
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