「家族」から「個人」へと最小単位がシフトし「結婚」の概念が崩壊した

私がまだ学生だった頃、今から30年くらい前のこと、経済学の講義などで「社会の最小単位」は「家族」であるという認識のもとにすべてが教えられていました。

ミクロ経済で言えば、「家計」を最小単位としてデータを扱うイメージ。

その「家族」を作る手段として「結婚」という制度が、人類の歴史上相当長く引き継がれてきました。

私の両親はいわゆる団塊の世代で、彼らにとっての「結婚」と、私たち世代にとっての「結婚」はまったく別モノ、次元の違う「概念」です。

団塊世代にとっての「結婚」とは、生きる為の手段として「必要なもの」であり、趣味嗜好やライフスタイルとしての「自由な選択」ではありませんでした。

つまり、この世を生き抜くためには「社会の最少単位」である「家族」を持ってそれを営む必要があり、それをしないという選択肢は、当時は社会的に容認されていなかったわけです。

だからこそ「お見合い結婚」があったし、恋愛結婚をしたとしても、当時の「離婚」は今の時代の「離婚」とはまったく別の意味を持っていました。

いわゆる団塊ジュニアである私たち世代では、男性も女性も経済的に自立できた人が増えたため、結婚は「必要かつ必須」なものから、「個人の選択によるもの」へと概念そのものが変化してきました。

また、個人の自立が可能になったことから必然的に離婚件数が増え、「離婚した=社会人失格」みたいなレッテル貼りは、時代遅れな価値観とみなされるようにもなりました。

2023年の今において、「社会の最小単位」はもやは「家族」ではなく「個人」へとシフトしています。

しかし最大のアイロニーは、昭和の時代には「生きるための唯一の手段」として「結婚」が存在していたのに比べ、現代においては「家族を営める経済力がないから」という理由で結婚したくない(できないと考える)人たちが増えていること。

かつて人々は「生き延びるために結婚を余儀なくされた」のに、今では「家族を営むだけの力がないから個人で生きた方が楽」と考える人が急増中。

パラドクス

私自身、この先「パートナー」はいてもいいとは思っていても、「結婚」したいとは思っていません。

例えば国籍が違う二人の人間が一緒に暮らす際に、便宜的に婚姻関係を結んだ方が良ければそういう選択肢はあってもいいとは思う。

でも、それ以外で結婚によるメリットとデメリットを天秤にかけたときに、どうにも「結婚」以外の選択肢の方が自分にとってはメリットが多いという結論です。

あくまでも、現時点では、ですが。

私の場合、一度だけした結婚が国際結婚だったので、日本の一般の結婚とは一風も二風も違っていました。

夫婦の財布は完全に別で、お互いにお互いがどれくらいお金を持っているかについては一切干渉なし。

一度も聞いたことがありませんし、聞かれたこともありませんでした。

普段の食事は基本各々で、週に一度だけ土曜日の夜は二人で外食という暗黙の了解が成立していました。

旅行の費用も完全折半。

私たちの中ではそれが普通でしたが、日本の知人たちからはよく驚かれたものです。

アメリカのスピリチュアル・ティーチャーであるティール・スワンは、「人類はいずれポリアモリーへと進化する」と発言していますが、私も概ねそれと同意見です。

ポリアモリーとは、一人のパートナーに固定せず、自由恋愛として複数のパートナーシップを同時進行させる在り方のこと。

現状いまの日本は精神年齢的にそこまで社会が成熟していませんが、人類全体としてみたら、そちらの方向なのかな、というイメージ。

人間の在り方も生き方も、どんどん変化・進化していっていると感じる今日このごろ。

だからこそ、「自分はどうありたいのか」を常に考えることが極めて重要だと思います。

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