共依存関係とは「火」と「消火器」のようなもの

「共依存」という言葉は、日本でも過去10年くらいの間に浸透した感があります。

「ともに依存し合う」という意味ではないんです。

元々はアルコール依存症の親を持つ子供たちが発症する数々の症状を指す言葉としてアメリカで Co-Dependancy という英語が考案されました。

それを日本語に訳した言葉が「共依存」です。

共依存者はナルシシストやボーダーラインパーソナリティ障害の人に強く惹かれます。

ナルシシストとは、分かりやすく大雑把に言えば「身勝手な人」「自分勝手な人」「俺様」です。

男性に多いとされ、往々にして各種依存症や機能不全な行動パターンを抱えています。

世間的には「良い人」の仮面を被っていることが多く、「優等生」を演じすぎるあまり、家庭内ではDVに走ったり分裂症的な振る舞いを行っていることが多い。

ボーダーライン(境界性)とは、神経症と精神疾患グレーゾーンともされ、幼少期・思春期に深刻なトラウマを抱えた主に女性が陥る人格障害の一種です。

そして、そういう「問題のある人」をかいがいしく世話したり尻ぬぐいしたりするパートナーという立場で共依存者が存在している。

この二人がカップリングすることで共依存関係が成立します。

両者は一つのコインの表と裏の関係です。

「見捨てられ不安」が表の面で発症したのがナルシシストやボーダーライン、裏の面で発症したのが共依存者。

つまり、両者は共に同じトラウマを持った人同士ということになります。

二元論の世界において、単独で存在し得るものは何ひとつありません。

「火」が存在しない世界に「消火器」が存在しないのと同じ理屈です。

「消火器」とは、そこに「消すべき火」があるときにのみ存在意義を認められる物です。

ですから、消化器がこの世に存在したい以上「消すべき火」が必然的に求められる。

それと同じように、共依存者は常に「問題を抱えた人」の存在を必要としています

なぜなら、「問題を抱えた人の尻ぬぐいや火消し」行為の中にしか、自らの存在意義と実存性を感じることができないからです。

共依存者が自らの実存性を確認するために、どうしても「問題を生み出す人」が居る必要がある。

それは幼少期のうちに形成したこの人のエネルギー的な「癖」のようなものです。

こういう人は、相手に問題があるとわかっていつつ、離れることができません。

何しろ自分は「消火器」として存在意義を確立しようとしているわけですから、「消す火」を持たない人とは一緒にいることができないわけです。

自分がカップリングする相手は常に問題(火)を持った人でなければならない。

広末涼子さんは若い頃より少し不安定で、衝動性を抱えたエキセントリックな女性というイメージがあります。

それに比べてパートナーのキャンドル・ジュンさんは、落ち着いて包容力のあるしっかり者の年上の夫というイメージ。

広末さんがコインの表で、ジュンさんがコインの裏の関係ですよね。

両者の役回り立ち回りは時と場合によって入れ替わることもあります。

しかし根底が共依存関係であることは変わりません。

広末涼子さんのプッツンぶりと暴走ぶりは従来のもの。

そこに新たにジュンさんの「劇場型」共依存が登場したことですべてが腑に落ちました。

「問題のある精神的に不安定な妻を支え、自らが火消に奔走する健気な夫」というシナリオは、劇場型の典型。

もちろんご本人にそういう自覚はありません。

共依存とは無意識の症状なのです。

魂の傷の癒しは誰にとっても生易しいものではありません。

見捨てられ不安、自己価値感の低さ、自尊心の低さ、自己肯定感の低さ。

こうしたものと一つひとつ向き合って癒し、痛みを乗り越えて人として成長し、魂として前進するためのパートナーとして、相手がいるわけです。

一つの関係性で癒される分は予め決まっているように、私個人は感じます。

そしてまた次のパートナーに出会い、癒しを進める。

物事は表面的な部分だけを見ていても意味がありません。

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