健全な人間関係を築く上で必要な境界線

20数年に及ぶ海外生活を経て、久しぶりに多くの日本の人たちの中で暮らしてくる中で気づいたことがあります。

それは、日本の人たちが「いかに「境界線」を持たないか」ということ。

「境界線」とは「自分」と「他者」を明確に区分けする「意識上の垣根」のことで、バウンダリーと呼ばれるものです。

境界線テスト

あなたがどれくらい境界線が引けているかを測ってみましょう。

1 / 20

あなたのパートナーは見栄っ張りで、すぐにカードを切って奢ってしまいます。こんなときあなたは:

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あなたの10代の子供はスマホが大好きです。料金を支払っているのはあなたです。子供はあなたが使用量をチェックすることに抗議してきました。こんなときあなたは:

3 / 20

あなたはレストランで食事をしています。 近くのテーブルの人たちがお酒を飲んで大騒ぎし始めました。あなたは食事や会話を楽しむことが出来ません。こんなときあなたは:

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家族や親せきの中には、あなたの私生活 について詮索し、聞いてもいない余計なアドバイスをしたがる人たちがいます。お盆や正月が憂鬱です。こんなときあなたは:

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友人の一人が、人が大勢集まる場所であなたに関する不適切発言を連発し、あなたは気分を害しました。こんなときあなたは:

6 / 20

家族の一人が「今月は財布が厳しい」と 言ってきました。もうすでに何度かお金を貸しています。今回は「子供に自転車を買ってやりたいから1万円貸して欲しい」と言っています。あなたは:

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友人があなたの家へ子連れで遊びに来ました。目を離したすきに、子供があなたの家具に落書きしました。友人を見ると、悪びれた様子もなく笑っています。こんなときあなたは:

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あるセミナーを受講中に、講師がクラス全員の前であなたの短所を批判し、あなたは居たたまれない気持ちになりました。こんなときあなたは:

9 / 20

同僚の仕事の納期が間に合いそうもありません。あなたに「手伝ってくれ」と頼んで来ました。あなたには同じく納期が迫った仕事があります。こんなときあなたは:

10 / 20

数人で旅行へ行きました。あなた以外の全員は、博物館へ行きたいと言いますが、あなたは行きたくありません。こんなときあなたは:

11 / 20

上司があなたの仕事の成果を自分のものとしてプレゼンしていることを知りました。こんなときあなたは:

12 / 20

あなたのアパートで飲み会をすることになりました。会がお開きになってみんなが帰る頃には、家の中はひどいありさまになっていました。こんなときあなたは:

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海外旅行へ出かけてヒッチハイクにチャレンジしました。たまたま乗せてもらったのは若者たちの車で、スピード違反や危険運転を繰り返し、あなたは生きた心地がしません。あなたは:

14 / 20

何か月も会っていない兄弟姉妹が、ランチの約束をドタキャンしてきました。「近いうちに埋め合わせする」と言っていますが、ドタキャンされたお陰でスケジュールが空いてしまいました。あなたは:

15 / 20

子供の学校のPTAで代表者を選出しなくてはなりません。立候補する人は誰もいません。あなたも忙しくて余裕がありません。こんなときあなたは:

16 / 20

親しい友人から連絡が来て、「仕事で嫌な ことがあったので、今夜飲みに付き合って欲しい」と言われました。あなたにはすでに予定があります。こんなときあなたは:

17 / 20

あなたの同居人は仕事が忙しく家事を全くしません。あなたが一切の家事を担当しています。あなたの中に不満が蓄積しています。こんなときあなたは:

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ようやくプロジェクトが片付き、待ちに待った休暇へ出かけるところです。ところが、こんなときに限ってクライアントから急ぎの仕事の依頼が入りました。あなたは:

19 / 20

あなたの息子はお酒が好きで、毎晩晩酌をします。今日も夕食前にビールを 開けて飲もうとしています。こんなときあなたは:

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上司から、あなたのミスではないことに関して「謝罪するように」と言われました。あなたは自分が悪いとは思いません。こんなときあなたは:

Your score is

0%

人間関係とは別の言葉で言えば「相手との距離感」のこと。

「境界線」がないということは、「自分」と「他者」の距離が「近すぎる」、あるいは癒着・融合していることを意味します。

踏み込むべきでない相手の領域に口出ししていたり、相手を自分の思い通りに動かそうと「操作・コントロール」したりすることが日常的に行われている。

しかし、それについて自覚がある人はほとんどいらっしゃいません。

「なぜ相手は〇〇しないのだろう?〇〇すべきなのに」

という思考が出てきやすい人は要注意です。

それはあなたが他者を自分の思い通りに動かすことを常態として行っていることを意味します。

自分以外の人は、自分を満たす道具ではありません。

相手を人として尊重する意識をもっとハッキリ持たなくてはならないのです。

その上で、相手にして欲しいことや変えてもらいたいところがあれば、「人として」対話します。

一方的なコミュニケーションではなく、相手と自分の双方を大切にしたコミュニケーションを通してのみ、健全な人間関係は育っていくからです。

しかしそれすらも、相手の価値観や在り方を変えることが主目的であってはならないのです。

親しき中にも礼儀あり

人間関係を健全に長く保つための秘訣は、適度な緊張感を持つことです。

ここで言う「緊張感」とは、「丁寧に扱わなければ、この人との関係を永遠に失ってしまうかもしれない」という意識のことです。

日本の人たちは親しい者同士の「甘え」や「癒着」「依存」が激しく、この緊張感がない関係が常態化しているように見受けられることがあります。

一番分かりやすい例は親子関係です。

多くの人は「親子の縁は切っても切れない」と思い込んでいます。

そのため、お互い相手に理不尽極まりない甘えを許し合っているような部分がある。

しかし今の時代、親子の縁を切る人は大勢いらっしゃいます。

成人した子供が親の本性を見抜いて幻滅し、考え抜いた挙句に親を捨てるという選択をするのです。

そうされても仕方がないくらいの甘えや機能不全が、親の方にある。

親子関係でなくとも、親友関係、伴侶との関係、上司と部下の関係、ありとあらゆるところに「癒着・依存・甘え」の関係が見受けられます。

無知による機能不全

日本には無意識の機能不全が多いのです。

つまり、「それはしてはならないこと」という認識や知識がないために、無意識に不適切な言動をしているという意味。

私の知るある25歳の女性は、「私が努力して旦那を変えた」と仰っていました。

「独身の頃、旦那は一着の服に数万円をかけるような人だった。そんなことにお金を使うなんて意味がないと思う。結婚してからはやめさせて、今は私と一緒にプチプラの店へ行ってオシャレっぽい服を買うようにしている」

自分の価値観を相手に押し付け相手を変えることは、厳に慎まなくてはなりません。

ですが、日本の人たちにはその知識がもともとないんです。

だから、こういうことをしてしまう。

なぜこういうことをしてしまうかと言えば、「自分の価値観の方が正しい」という思い込みがあるからです。

当然「相手の価値観は間違っている」だから「私が正してやらなくちゃ」なんです。

でも事実を言えば、夫の方が物を見る目があり、美意識と投資意識が高いんです。

一着数万円する服は、すべてにおいて安物のプチプラとは次元が違います。

その良さを見抜いてお金をかけても良いと思える人たちだけが、そういう服を買うんです。

もしも夫の「一着の服に数万円かける」価値観やお金の使い方を受け入れられないのであれば、そもそも自分には「釣り合っていない」相手。

そこを「直させて」まで一緒にいるべき相手ではないんです。

もう一つ例を挙げれば、私は料理を温めるときは極力電子レンジを使わない人です。

電磁波の影響を減らすために。

しかし、面倒くさいのでそんなことをイチイチ他人や家族には説明していない。

私の母親は、私が電子レンジを使わずにガスの火で料理を温めているのを見る度に、勝手に電子レンジに移してしまうような人でした。

そして、「こういうのは、レンジの方が早いよ」という。

私としては、そんなことは百も承知の上で、敢えてガスの火を使って温めている。

私には私なりの価値観と考えがあるからです。

しかし、そういう発想を持たない母親は、毎回私という人を尊重しない振る舞いを続けました。

本人はそういう自覚は無いわけですが、突き詰めて言えばそこへ行く着くわけです。

相手に明らかに人格的な問題がある場合は別です。

  • モラハラ・パワハラ
  • DV
  • セクハラ
  • 酒やギャンブルなどの依存症問題

こうした機能不全問題があり、自分に害が及びそうならば相手に改善を促し、相手にそれをする気がないなら離れる。

その上で、相手の価値観や生き方に関して、自分には口を挟む権利がもともとないことを自覚しなくてはなりません。

相手の価値観や生き方に口出しできると考えてしまうのは、自分の中に甘えや依存があるからです。

相手を人として尊重する

ありとあらゆる人間関係のお悩みのほとんどは、境界線の問題です。

相手の価値観や在り方や生き方をそもそも受け入れらないと感じるのであれば、一緒にいるべきではありません。

自分とは相性が合わない相手であると割り切って、一緒にいないことを選択することがお互いのためです。

「あそこさえ直してくれれば、、、」と思っているうちは、「相手を尊重できていない」ということです。

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