「自分はもっとこういう風に仕事をした方がいいんじゃないかと思うのに、上司や会社がそうさせてくれない」ということにストレスを抱えていらっしゃる方がいらっしゃいます。
知人・友人にもいましたし、クライアントの中にもいました。私自身も、今の人生で何度もそのようなストレスを味わったことがあります。
これは境界線の問題ですが、このことについて、私なりの見解を書いてみたいと思います。あくまでも私個人の意見であり、それが唯一正しい答えではないことを予めお断りしておきます。
目次
ビジネスは誰のものか
「自分はもっとこういう風に仕事をした方がいいんじゃないかと思うのに、上司や会社がそうさせてくれない」と愚痴を言う人に足りていない視点は、実にこれだと思うのです。
そのビジネス(会社)は誰のものか。
上場している会社であれば会社(ビジネス)は株主のものですし、有限会社であればオーナー(所有者)のものです。私たちのようなフリーランスや個人事業主であれば、単純にビジネスはその人のものです。
つまり、この世にあるありとあらゆるビジネスは、所有者の意向に沿って運営されているということ。上場している会社では、筆頭株主の意向通りに会社を経営するよう、株主総会というものが開かれているわけです。
従業員の個性を輝かせる場所ではない
組織の中で、一従業員のやりたいように仕事ができないなどは当たり前のことです。そもそも会社とは、従業員が自分の個性を輝かせる場所ではなく、会社の利益のために仕事を遂行する場所だからです。会社は従業員のものではなく、株主(オーナー)のものです。
今は一人で仕事をしている私ですが、もしも業務量が増えて人を雇うとしたら、やはり私の指示や意向にある程度従ってくれる人でなければ困ります。私は私の軸(価値観や規定)でビジネスをしていますから、そこから大きく逸脱したような仕事のやり方を勝手に繰り広げるような人は、私にとってはダメージとなるからです。そういう人には辞めてもらうでしょう。
これはしごく当たり前の理屈なのです。
この大前提を理解することなく、「自分なりのやり方」で仕事をしていれば、上司や経営側からけん制が入るのはある意味当然のことです。
ただし、仕事とはなんら関係のない雇用主の価値観を一方的に押し付けられたり、支配・コントロールされることは別の話です。
そうした状況を容認してはならないし、お互いに境界線を侵害し合わないように配慮しなくてはなりません。
自分の世界を創る
もしも自分の裁量で何かをしたいのであれば、誰かに雇われるのではなく、自分で自分の仕事をしなくてはなりません。
フリーランスでも個人事業主でも、自分の個性と価値観でできるビジネスを持つことです。
それができないのであれば、雇われるしかない。
その中で自分の個性は出せないことは理解しておく必要があります。もしも会社のやり方と自分の価値観が合わないのであれば、辞めればいいのです。
- 自分のビジネスを持つ
- 雇われて雇用主の意向に従う
結局最初からこの二つの選択肢しかないわけです。
労働契約の概念
どこかの組織に帰属するときに、その組織の全体的な価値観と自分の価値観がある程度一致していることが重要です。大きく価値観がズレている同士は、どうやっても折り合いはつかないからです。完全に一致することはなくても、大きく逸脱したものがないことを確認した上で、双方が折り合える範囲においてビジネス契約を結ぶわけです。
労働契約とはビジネス契約そのもので、その範囲内においてのみ、双方が関係を結ぶというものです。
契約概念をほとんどもたない日本人は、このことを理解していない人が多いと感じます。雇用する側と雇用される側が境界線を引くことなく癒着・依存して、本来お互いに立ち入るべきでない事柄にまで立ち入りすぎていることが要因でストレスが生まれると感じます。
どこの社会にもストレスはありますが、その要因がどこにあるかを理解することなく愚痴を言っていても、何も変わりません。
一体自分の立ち位置ややっていることは妥当なのか、一度見直してみる必要があるでしょう。

1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。
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