子供の頃、心が沢山傷ついた人は、その時点で心の成長が止まっています。
感情が癒えて昇華されれば、心は、遅ればせながら成長を始めます。
面白い記事見つけました。
日本人が知るべき「大人が消えている」危機の実態 成熟に必要な人を「社会が求めていない」怖さ
今の日本社会を見て、いちばん足りないと思うのが「成熟」。未成熟であることは誤りでも罪でもないが、まっとうな大人の比率が高まれば、たいへんに住みやすい世の中になる。ところが、今の日本社会には大人がいなくなった。
内田樹
私も、100%同意します。
20数年ぶりに海外から日本へ戻って、まず驚愕したのがこの事実でした。
「過去20年の間に、日本人はなぜここまで劣化したのか?」
この疑念に対する答えを、私は5年間考え続けてきました。
私の考えは、数年前に以下の記事に書きました。
僕の個人的な定義を申し上げれば、大人というのは「周りの子どもたちの知性的・感情的な成熟を支援できる人」のこと。
ご本人はいくら年を取っていても、社会的地位があっても、物知りでも、その人がいるせいで、周りの人たちの成熟が阻害されるなら、その人は「大人」としての役割を果たしていない。
僕の定義では「子ども」だということになる。
大人とは、「その人がいるお陰で周りの人たちの知性が活性化し、感情が豊かになり、ものの考え方が深まるような人」のこと。
(日本には)そういう人がいなければならないということについての国民的合意がない。
誰もそんな人を求めていない。
内田樹
私がまだ若かった頃、25年くらい前には、日本にも「大人」はいたんです。
とういうか、私自身がそういう方たちに育てていただいた。
私が人の道から外れそうになった時、「何やってんだ、そんなことじゃダメだ」と、苦言を呈してくれた人たち。
今、そういう人って、いませんよね。
少なくとも、札幌へ来て以来、「この人は成熟した大人だ」と思う方にはお目にかかったことが一度もありません。
そういう人は誰も求めていないし、そばにいれば「鬱陶しい」とすら思う。
それが今の日本の知的・情緒的成熟度合いということです。
みんなが求めているのは、逆に「その人がいるせいで、周りの人たちが思考停止して、幼稚な感情に居着いて、定型的な言葉しか吐かなくなる」人たち。
そういう人のことを「大人」だと思っている。
なにしろ、自分たちの知的負荷を軽減してくれるんですから、ありがたい存在ではあります。
内田樹
こういうタイプのインフルエンサーの筆頭はひろゆきだと思う。
ご存じの方も多いでしょうが、私はひろゆきが嫌いです。
理由はまさにコレ。
口下手な人や、自己表現が苦手な人からしてみたら、自分の言いたいことを代弁してくれるみたいで痛快なのかもしれないけれど。
去年のちょうど今頃、ひろゆきの番組から出演依頼が来ました。
プロデューサーの方がこのブログを読んでいらして、ひろゆきと討論して欲しいと。
速攻断りましたよ。
「大人のフリをした子供」と議論して得られるものなんて、一つもないからです。
それよりは「複雑な現実は、これこれこのように複雑なのであって、簡単な話には還元できないのである」というふうに、にべもなく記述してくれる人のほうがずっと教育的。
その人の話を聴いているうちに、「ああ、世の中は難しいものだ」としみじみ思うようになって、「ぼやぼやしておれん」と腰が浮く……というような遂行的な効果をもたらす人が「大人」。
内田樹
以前書いた記事と合わせて私が指摘したい日本の問題点は、
- 感情の扱い方を誰も教えてくれない
- ネガティブ感情や出来事を認めていない
- 「こうであるべき」という理想論を真面目に信じている
- 自分以外の他者を思い通りに動かして良いと思っている
- 他者との間で上下関係を作りやすい意識状態
- 世間・社会の目を気にするあまり自己不在
- 完璧主義
- 等身大の自分を受け入れられない
こんな感じ。
日本は情緒的・感情的発達状態がとても低いんです。
世界で最も感情的に発達している地域は北欧です。
統合度合いがとても高い。
統合度合いとは、自分の中にある「どんな感情も」決して否定することなく自分のものであると認め、ポジティブな感情と同じように大切に扱うことに習熟している、という意味。
日本は逆。
怒り、恨み、恥、妬み、その他もろもろのネガティブ感情を持ってはならない、そんなものを持っている人は人間として失格である、みたいな論調があるでしょう。
日本のみなさんに一度自問してもらいたいのは、「お手洗いに行くの、我慢できますか?」
まず、「どれくらいでも我慢できます!」という人はいませんね。
感情もそれと同じ。
一度発生した感情は、ちゃんと感じて昇華するまで、消えてなくなったりはしないの。
だから、ちゃんと適切に処理しなければならない。
でも問題は、そのやり方を子供に教えてあげられる大人が日本にはほぼいないということです。
私はたまたま、20代でオランダ人の男性と恋愛をして、彼の家族と近しく交わった経験からそういうことを学ぶことができた。
だからまだマシでした。
でも、日本の多くの人たちはそういう経験も知識も持たないままに身体だけが大人になってしまう。
心は子供のまま。
そういう人たちのことを心理学用語ではアダルトチルドレンと呼びます。
そして、子供っぽい言動を繰り返し、うすっぺらいインフルエンサーたちを信奉するようになる。
大人になる方法
じゃぁ望みはないのか?
内面が未成熟な人は、どうやったら大人になれる?
それはもう:
- インナーチャイルドを癒し
- 自分の感情はすべて感じ
- 自分を愛すことを学ぶこと
愚直なまでにコレしかない。
これをやり続けるだけです。
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