未熟から成熟へ向かう

しばらく前に、男性の「甘え」と女性の「共依存」の問題というテーマで記事を書きました。

私たち人間が「成熟する」とは、他者に甘えたり依存したりせずに済むようになることを意味します。

必要なときには頼り、支え合い協力し合いながらも、互いに自立的な関係を持てること。

そこには、自由自律性があります。

一方、未熟で機能不全な関係には、自由と自律性がない

自分が自分らしくあることも、相手が相手らしくあることもできない。

私たちが互いに甘えたり依存したりしてしまう根本的な理由は、幼少期の愛情不足が癒えていないからです。

本当はもっと親から愛されたかったけど、そうならなかったことに起因する、「愛情飢餓」を抱えているから。

愛情飢餓があるときに、人は無意識のうちに、パートナーから親の愛情を得ようとしてしまいます。

誰一人としてこれに例外はありません。

そして、無意識のうちに、親と同じ問題を持つ人に惹かれてしまう

親との間の機能不全のパターンを、パートナーとの間で何度でも繰り返してしまいます。

ある時点でそのことに気づいて、本腰を入れて癒しに取り組むまでは。

親との間にエネルギー的な臍の緒が繋がっているうちは、大人の愛情関係を持てないということです。

肉体の年齢がいくつでも、関係ありません。

男性が未熟から成熟へ向かう道

男性は、相手の女性に自分のすべてをありのままに受け止めて欲しいと思っています。

誰しも無条件の愛を求めているので、それはそれで構わない。

問題は、未熟な男性が思う「ありのまま」が、単なる利己的で自己本位な「わがまま」にすぎない点です。

彼女との約束が先にあるにも関わらず、後から別の誘いがくればそっちを優先してしまう。

彼女が体調不良で寝込んでいるのに、看病せずに趣味の集まりに出かけてしまう。

彼女の体調が優れないのに、無理させて自分に付き合わせてしまう。

これらは男性の未熟さに起因する「問題行動」です。

男性の成熟

男性が愛情飢餓を乗り越えて成熟すると、自分の力で妻や子供を守り満たすことを覚えていきます。

わがまま放題に振舞う代わりに、愛する者を幸せにするために自分を捧げ始める。

以下は、俳優 仲村トオルさんのインタビューの言葉です。

家族の闘病生活がはじまった頃、仲村は雑誌のインタビューで、「守り抜きたいもの」についてこう答えていた。

もちろん家族です。

俺の代わりの役者はいくらでもいる。

そんな感覚は今より若いころのほうが強かったと思いますが、妻や子供は間違いなく、自分でなければダメな人たちで。

自分をどうしようもなく必要としてくれていると思う。

堅苦しく言えば、そう思うのは責任感からかもしれないけど、守らなければと思うのは確か。

中村トオル

仲村さんは、「彼女のすべてが好き」と公言した鷲尾いさ子さんと結婚されました。

しかしすぐに鷲尾さんが難病にかかってしまいます。

奥様の介護と二人の娘の子育てと俳優業を一人で担ってきた仲村さん。

仲村さんは、奥様とお嬢さん二人を「守りたい」と思った。

それが大人の「責任感」です。

未熟な男性は、「義務感」から子育てを行います。

「義務感」とは、「これは俺の義務だから、やらなくちゃいけないんだ」という思考のこと。

それは、大人の男性が肚の底から湧き上がらせる「責任感」とは別のエネルギーです。

「責任感」を持って愛された人は幸せです。

一方、「義務感」から何かをしてもらった人は、罪悪感を植え込まれて苦しみます。

今では鷲尾さんは「母はもう、ふわっふわ」とお嬢さんが言うほど、柔らかい女性になっているそうです。

女性って、パートナーが男らしく守れば守るほど、柔らかく花開いていくものなんですよね。

男性がしっかり守っていないと、女性は自分がしっかりと男性性を発揮しなくてはなりません。

そうでなければ、自分と子供たちを守れないから。

「自分はしっかり守られている」という安心感が、女性が女性らしさを開けるために、必須条件です。

女性が未熟から成熟へ向かう道

女性が未熟だと、

  • 自分を犠牲にして相手に尽くし
  • 相手を束縛し
  • 相手の愛情を試すような行為をやめられない

ということになります。

自分は「愛されるに値する存在」と信じることができないので、「力づく」で男性の愛情を繋ぎとめようとしてしまうんです。

そして、相手の男性を「自分好み」に作り変えようとしてしまう。

自分好みの髪や服装、コロンやアメニティに至るまで、相手の「その人らしさ」をありのままに受け容れることができません。

女性は、相手の愛情を繋ぎとめるために自分を犠牲にすることを止め、相手の愛情を試したり、相手を思い通りに変えようとしたりすることを止めなくてはなりません。

そして、自分自身を大切にすることを学ぶ

自分のリソース(時間・労力・お金)を自分のために使い、自分で自分を満たすこと。

それがしっかりできて初めて、他者を愛する余裕ができるからです。

そして何より、コレを続けていくと、誰が自分のことを本当に愛してくれて、誰がそうでないか、ハッキリとわかるようになります。

もうおわかりのことと思いますが、本当にあなたのことを愛している人は、あなたに惜しみないリソース(時間・労力・お金)を注いでくれます。

逆に、あなたにリソースを割こうとしない、むしろ、あなたからできる限り多く受け取りたいという男性は、あなたのことを愛していません。

女性は、自分を愛してくれない相手にしがみ付くべきではありません。

そんな相手は放っておいて、自分を愛してくれる、大切にしてくれる相手と一緒になるべきです。

女性の成熟

ここで少し、私が自分を大切にするために行っている日常ルーチンをご紹介します。

私は、寝る前の数時間は完全に自分のために使っています。

お風呂に入りながら身体を隅々までチェックする。

筋肉が強張っているところ、凝っているところがないか。

あれば撫でたりさすったりしてほぐします。

骨や筋肉や内臓に痛みがないか。

あれば適切に対処して、必要であれば医者へかかります。

眠る前に自分の感情や気持ちと向き合い、モヤモヤしているところや、心に詰まっている感情がないかチェックします。

あれば丁寧に向き合って対話して、自分が納得いくまで内観をします。

滞っている感情エネルギーがあれば昇華して、チャクラやオーラに詰まりがないように流します。

不要な人間関係、ストレスになっている人間関係があれば断捨離します。

会いたい人に会いに行き、会いたくない人には会わない。

女性はもっと自己本位に生きていいのです。

それが自分を大切にするということ。

男性は女性に尽くすこと。

それが彼らの幸せ。

それから、私は毎日時間をかけて家事を行います。

家事を丁寧に行うことは、自分を大切にすることと同義です。

自分が快適に過ごせるよう、日々工夫を凝らす。

生活のすべてが自分を愛することに繋がっています。

ここまでできてようやく、女性は他者を愛する心の余裕が生まれてくるのです。

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