挨拶は強要するものではない

私は、日本は「挨拶にこだわる文化」だと思っています。

「挨拶は人として基本中の基本」と言う人が日本には結構いますが、私はそうした価値観を持っていません。若い世代の中には、「挨拶はしたくない」と言う人もかなりいることを知っています。

この記事では、特に日本の職場でよくみられる「挨拶の強要」について、私なりの見解を書いていきます。


「おはよう」「こんにちは」程度はどこの文化にもあるありふれた挨拶ですが、日本では特に職場で交わされる独特の挨拶がたくさんあります。

  • お疲れ様です
  • ご苦労様
  • お世話になっております

こうした挨拶は、他文化では聞いたことがありませんし、他国の職場では使われていません。

英語のEメールの冒頭に 「I hope you are doing well.」など社交辞令的なことを書き添えることはありますが、日本ほどは挨拶にこだわっていない印象を持っています。

つまり、「挨拶をする・しない」は、人類共通の普遍的真理や価値観があるわけではなく、文化や個人的好みに係る部分が大きいものであるということです。

「挨拶をする・しない」というようなことは、他人がとやかく言う問題ではないと私は考えています。皆がそれぞれの価値観に従って生きたら良い。どちらかの価値観を一方的に相手に押し付けて、全体的に合わせるものではないのです。

私自身は、大方のケースでは挨拶をしていますが、時と場合と状況によっては挨拶をしたくない場合があります。自分のコンディションが悪くて他者に気を使うどころではないときは挨拶はしないし、挨拶をしたくないと思う相手にはしません。

それが私にとっては一番自然なことだからです。

日本の企業の中には、「職場では、人とすれ違うときには気持ちよく挨拶をしましょう」と、スローガンやマナーとして従業員に教育しているところも多いですが、それは雇用主側の越権行為というものでしょう。

そもそも従業員は一人の人間として自分の価値観で生きているのですから、「挨拶」に関しても、雇用主側からアレコレ指図される筋合いではないのです。

職場とは仕事をする場所であり、雇用主の価値観を一方的に押し付けられる場所ではないからです。そもそもそのようなことは、雇用主から従業員へ指示できることではないという意識が足りていないだけなのです。

「挨拶をした方が気持ちいい」と思う人はすればいいし、「挨拶はしなくていい」「挨拶はしたくない」と思う人はしなければいい。ただそれだけの話です。お互いがお互いの価値観を尊重して干渉し合わない。それが節度のある大人の距離感というものです。

価値観の違う者同士が互いを尊重し合いながら共存できる社会が、本当の意味で成熟した社会なのです。どちらか一方の価値観を「正しいもの」として他方に押し付けることは、未熟さの表れです。

私は今までオランダと香港で働いた経験があり、日系企業でも西洋の企業でも働きましたが、「社内ではすれ違う人に挨拶をしましょう」ということを社員に強要しているのは日系企業だけでした。

他文化の企業でそのようなことは行われていません。特に欧州においては境界線の概念がしっかりあるので、個人の領域に雇用者側が無遠慮に立ち入ることはないのです。

自分の親との間の問題が未解決なまま大人になった人は、社会人になれば会社との間で親子関係を繰り返します。会社に庇護や理解を求めたり、会社にプライベートなことまで口出しさせたりするのです。雇用側と従業員側の癒着は、精神年齢が幼いことのサインですが、日本では比較的よくみられる状況です。

そのため、「挨拶」のような個人的なことまで企業側が従業員側に立ち入った指示をしても違和感を覚えない人が多いのです。意識が高い人は、違和感を感じているはずです。

挨拶は強要するものではありません。

今一度、個人の価値観を互いに尊重する意識を強く持っていきたいものです。

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