私たちが自分らしく人生を生きていく上で、「この問題は自分の力で解決できる」という「自己有力感」(Self-Empowerment) を得られることがとても大事です。そうでなければ、私たちは常に無力な被害者・犠牲者に甘んじる他はなく、この状態では自分らしく生きることは到底不可能だからです。
自分にできることとそうでないことをキチンと区別して理解することは、「自己有力感」を得るためには必須事項です。
自分の生活に何かしらの問題や障壁が生じたとき、私たちにできることは基本的には変わりません。
- 状況を改善できるよう働きかける
もしもそれが無理であるなら、
- 状況を受け入れる
- その状況から立ち去る
この二つに一つしかありません。
今、この状況の中で、自分にできることは何だろうか?
- Try to improve (自分にできる範囲の対策措置を講じる)
- Accept (受け入れる)
- Leave (立ち去る)
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例えば、家でゆっくりと寛いでいたら、近所に宣伝車がやってきて大きな音を立て始めた場合:
- 宣伝車に頼んで音を出すのを止めてもらう
- 宣伝車に頼んで移動してもらう
- 窓を閉めるなどして騒音を減らす
このような改善策が考えられます。
改善策を講じても問題が改善されない、あるいは改善策を講じたくない場合、
- 騒音を受け入れる
- 自分が家から出る
この二つのうちどちらかしかありません。
二つのうちどちらも選択することなく、ただ文句や不満を言い続けるのは狂気(madness)であると、エックハルト・トールは言いました。
これはどんな状況にも言えることです。
もしも勤めている職場でパワハラ被害を受けている場合:
- 上司や責任者、もしくはしかるべき機関に報告して改善対策を講じてもらう
このような対策を生じる必要がまずはあるでしょう。その上で、上司や責任者が話を聞く耳を持たない、あるいは対策を講じようとしない、もしくは対策を講じても効果がないのであれば:
- パワハラ被害のある状況を受け入れる
- 自分が職場を去る
この二つに一つしかありません。
配偶者の飲酒癖が原因で夫婦間に問題が生じている場合:
- 相手に自分が感じている問題点を話して、飲酒癖を改善してもらえるよう依頼する
このような対策が考えられます。
もしも相手が問題解決に協力的でない、飲酒を続ける意向が強い場合、
- 相手の飲酒癖を受け入れて夫婦生活を続ける
- 相手から離れる(婚姻関係を解消する)
この二つに一つです。
もしも上述の選択肢のうち、どれもやりたくないけれども不満は解消しないという場合、自分の中に向き合うべき弱さ(依存)が残っているということです。なぜ立ち去ることができないのかを、自分に確認する必要があるでしょう。
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私のストーリー
私は以前、防災無線の頻度がとても高い町に暮らしていました。
その町では朝から晩まで毎日平均4~5回の防災無線が流れていました。私の部屋の横にある電柱にスピーカーがついていたことから、私は朝6時から夕方7時すぎまで、防災無線が流れる間は騒音に耐える生活を余儀なくされていたのです。
私は町長へ直訴して、防災無線の回数を減らしてくれるように嘆願しました。ですが、町長は私の訴えを「防災無線を喜んでくださる多くの人がいる」という一言で退け、真面目に取り合ってくれませんでした。
そこで私はその町を出て、別の場所で暮らすことを選択したのです。
自分にとってストレスとなる状況に耐えなくてはならない理由はどこにもありません。自分のできる範囲で改善を試みて、それが功を奏さなければ、受け入れるか立ち去るかの二つに一つです。
もしもその町で暮らし続けたいのであれば、防災無線の頻度の高さとうるささを受け入れる必要がありますし、それが嫌なら別の場所へ引っ越すしかないのです。
状況は常に非常にシンプルです。
それなのに、「難しいよね」という言葉が出てきてしまうのであれば、それは自分の中に見て見ぬフリをしている、気づきたくない自分の問題が隠されているサインです。
ここに書いた3つの原則から離れさえしなければ、私たちは「自己有力感」を失うことなく、自分の手で人生を構築していくことができるでしょう。
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