人生とは体当たりで生きて、人生の答えは自分で体得するもの。
私はずっとそう思っています。
若い頃は、どこかに「人生の答え」が書かれた「虎の巻」があって、それさえ読めば人生の謎がすべて解き明かされると思っていました。もしくは、グルやスピリチュアル・ティーチャーに師事したり、何かしらの行を積めば悟りを開けると思っていました。
でも実際は、人生とはまったくそういうものではないと、今は知っています。
自分が知りたいと思っている「答え」は、自分の人生の中にしかありません。人生を自分の足で歩くことによって、学びとっていく。失敗を重ねて学び次へ活かす。その繰り返しで知恵や叡智を身に着けていく。
それが成長であり、人が生きる意味そのものだからです。
自分が欲しいものは何かを知るために、「欲しくないもの」を経験する必要があります。
今私はメンターの仕事をしていますが、最初から「メンターをやりたい!」と分かっていた訳ではありません。最初はヒーラーとして仕事を始め、経験を積む中で「これはどうもしっくりとこないな」という部分を精査し続けて、「私はメンターの方が合っている」という答えを自分で見つけてきたのです。
その中で、数々の失敗を繰り返しました。何しろクライアントと接する仕事は初めてでしたから、最初は緊張の連続でした。自分にできるかどうか不安でしたが、課題が浮上するたびに一つひとつ丁寧に向き合うことで乗り越えてきました。
それが経験として蓄積され、のちには自信につながっていきました。今は多少なりとも、自分の経験から他者に教えたり助言したりできるようにもなりました。
今の仕事が最終の答えだとはまったく思っておらず、やりたいことはいずれまた変わると思っています。
愛とは何かを知るために、愛ではないものを沢山経験する必要があります。満足とはどんなことかを知るために、まずは満たされない状態を経験する必要があります。
私たち人間は、何事も身体を使って体得していくのです。
自転車に乗るのとまったく同じです。
本を読んで自転車の原理をどれくらい頭で理解しようとも、実際に自転車に身体を乗せてバランス感覚を養うことは、実地の訓練を積むより他はないのです。人を愛するとはどんなことかを学ぶためには、まずは「自分を愛す」ことを徹底的に訓練し、愛する能力を育む必要があるのです。
実地訓練を積まずに本ばかり読んで、動画ばかり見て、人生の達人になれるほど人生は甘いものではありません。
あなたが今知りたいと思っている答えは、結局自分の中にしかないのです。自分の中を探すと言っても、長い時間と経験を要するのです。日々を丁寧に過ごし、自分自身と対話を重ね、自分を大切にすることで一つ一つ得ていく答えなのです。

1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。
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