世の中の多くの人は、「成功しているかどうか」で、自分の人生の可否を図ろうとしていると私には思われます。
私のところへ相談しに来る方の中にも、「やりたいことはできているけど、成功はしていない」というようなことを仰る方は割といらっしゃる。
自分の道が「正しいかどうか」を、経済的な成功があるかないかで測ろうとしているということです。
「成功=幸せ」ではない
ですが、自己実現とか人が生きる道とは、そういう尺度では測れないものだと私は思っています。
成功しているかどうか、経済的に多くを得ているかどうかということよりも、「どれくらい自分らしく生きられているか」の方が圧倒的に重要だからです。たとえ経済的にはさほど恵まれなくても、自分らしい生き方を貫いている人の方が幸せだという例は枚挙にいとまがありません。
つまり、パン作りが大好きな人がパン屋を開いて、お客さんが沢山来てくれてパンが飛ぶように売れて大成功ということよりも、毎日パンを作ることの歓びを噛みしめながら、日々新しいパンの考案に勤しむこと自体の方に歓びを感じられている方が幸福度は高いということです。
パン作りが大好きな人であれば、パンが売れて商売が成功するというのは単なる結果であって、それが自分の目的ではないことを知っています。自分がパンを作る理由は「パンを作りたいから」だからです。
人生とは、「成功するため」に生きるものではなく、「生きる」ことを通して自分を表現し、自分の本質を体現することで人として成長・発展していくものです。そのプロセスを丁寧に生きること自体が目的なのであって、成功するかしないかということは、まったく重要ではないのです。
それでも「成功」に拘ってしまう人は、まだ癒されていない劣等感に根差した承認欲求があるでしょう。
「あぁ、自分は自信がないから、成功することによって、自信を感じたいんだなぁ」
ここを真正面から見据えてしまえば、劣等感を受け入れることができるように変化していきます。
周りからどう見えるかは関係ない
世の中には、「絵に描いたような幸せな家族」という言葉を本気で信じている人たちもいます。傍から見れば「幸せそう」に見えるだけで、実態は仮面夫婦だったり、共依存とナルシシストの組み合わせだったりするわけです。モラハラ夫でも気づかない妻、感情的な虐待があっても気づかない子供。
自分たちは幼少期から機能不全な環境の中で生きてきたので、そのおかしさに自覚がないだけです。でも外目からは何一つ不自由ない幸せな家族に見えている。
それは本当の幸せではありません。
幸せとは、ありのままの自分をのびのびと生きられて、自分を丸ごと肯定できている状態のことです。自分の人生に起こったことすべてのことと折り合いがつき、自分を愛せている状態のことです。
その状態でないままに、いくら体裁だけが整っていても、本当の意味での幸せは実感できないでしょう。
機能不全の環境で育つと、どうしても見栄や世間を気にする人になってしまいます。自分が「どうしたい」ことよりも、「どうすべきか」「どう見られるか」「どう思われるか」で自分の振る舞いを決めてしまう。
その状態ではいつまで経っても自分らしく生きることはできません。まずはしっかりと腰を据えてインナーチャイルドを癒す作業に取り組みましょう。
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