内田&樹木夫婦に見る二元論の法則

私たちの暮らす世界は「二元論の世界」と呼ばれ、すべてのものが背反する一対を成してバランスを取りながら存在しているという法則があります。

このことを面白いほどに体現していたのは内田裕也&樹木希林夫妻だと思うのです。

このお二人は典型的なオールドソウルであるとお見受けしていますが、まったく本質を同じくしていながらも、お二人は面白いほどに正反対なんですよね。

正反対の夫婦

「ロックバカと奇天烈女優」と、昔希林さんがどこかで仰っているのを読んだことがあります。

内田裕也さんはロックンローラーで、生き方そのものがロックだった人でした。

「ヒット曲がない」と自虐されるようにミュージシャンとして成功したかどうかは微妙だけれど、「内田裕也」というものを極めた人だったと思っています。最後まで自分の生き方を貫いた人。

ロックンローラーは反骨で型破りだと思われるかもしれませんが、それは彼らが「自分との向き合い」において決して妥協しないからなんですよね。

真剣に自分と向き合ったことがある人であれば、自分の中に目を背けたるなるようないやらしい、とてつもなく恥ずかしい部分が沢山あることを知っています。

ロックンローラーはそういう自分の恥部から目を逸らさずに、逆にその部分を曝け出すことを自己表現とし「だったらそういう自分でとことんまで行ってやろうじゃないか」と、どこまで自分を受け入れられるかというテーマを体当たりで生きる腹が座っている人たちだと思うのです。

フレディ・マーキュリーしかり、ジム・モリソンしかり。

参考記事:

一方、夫がこんな感じだと、妻である希林さんは正反対です。

希林さんも独特の個性を持った一般的な型にははまらない方でしたが、内面にはビックリするほど保守的なものをお持ちでした。

内田さんと結婚してから40年以上別居しながら離婚しなかったのも、「女は一度結婚したら離婚してはならない」というご自身の価値観に従っていたからで、娘婿の本木さんに養子に入ってもらったのは「内田家」を存続させるため。「内田家の墓」を守ってくれる人でなければ結婚は許さなかったそうです。

「結婚相手は長男はダメだからね」と、娘の也哉子さんが子供の頃から言い含めてあったと言いますから、見た目からは想像もつかない古風さだと言えるでしょう。

娘のように親しく付き合っていたという浅田美代子さんにも、「60歳の独身女に家を貸す大家はいない」と、自分の不動産を持つことと再婚することを強く勧めていたそうです。

あれだけ破天荒でやりたい放題に「自分」を追求して生きた裕也さんの妻は、中身は本当に正反対の保守的な方だったんですね。

一対でバランスを取り合う

もしも希林さんが裕也さんと同じような性格だったら、うまく行っていなかったと思います。

あの夫婦はもともと「うまく行った」ことはないのだから、と思われるかもしれませんが、あれはあれで絶妙なバランスを取っていたと私はお見受けしています。

妻が古風でしっかりした人だったので、破天荒な夫が自分を追求しながら生きることができたと。

逆に、内田さんをもう少しだけ常識のある「普通の人」にする方法は、希林さんがはっちゃけて非常識な破天荒な生き方を始めるしかなかったことでしょう。

なぜなら、一対の間のバランスを均衡させようと作用するのが「二元論の法則」だからです。

二元論の統合課題

双子や兄弟姉妹の場合、一人が社交的で外向的な生活であれば、もう一人は内気で内向的な子供となることが多いです。一対で存在している場合、お互いが背反する性質を体現してバランスを均衡させうようとするからです。

浪費家の夫に財布の紐が固い妻、寡黙な夫におしゃべり好きの妻、海外志向の姉に地元志向の妹、といった具合です。

「二人を足して2で割ればいい」とはよく聞く表現ですが、統合とはまさにそういう事なのです。

相手の中に社交性と外向的な性格を少し自分の中に取り入れて体現できるように訓練する、寡黙な人はもう少し自分の気持ちをちゃんと話すように、おしゃべり過ぎる人はもう少し黙って人の話を聞くように、少しずつ相手の要素を取り入れて自分の内面のバランスを是正していく。

それが二元論の統合課題です。

パートナーシップとはまさにそのために存在しているものだと言えます。

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