日本は同調圧力が強い国ですが、「同調圧力」って具体的には一体どんなことを指すのでしょうか。
恐らく、多くの日本人は自分が同調圧力に屈しながら生きているという自覚がないままに、同調圧力に屈しています。それくらいそれは、日本社会の中である意味「自然と」行われているからです。
職場の例を出してみます。
Aさんの右隣のBさんは、昼休みに入る時に必ず「昼休みに行ってきます」と周囲に伝えてから休憩に入ります。
Aさんはそのことを気にしたことはありませんでした。
しかししばらくすると、左隣りのCさんもAさんと同じように、「昼休み行ってきます」と言うようになりました。
さらにしばらくすると、Aさんは自分が昼休みに行くときにも「昼休みに行ってきます」と言うようになっていることに気づきました。前は言っていなかったのにです。今ではなんだかそういわないと「居心地が悪い」のです。
これが日本社会の中で日常茶飯事となっている同調圧力の典型的な例です。
周りがしていることを自分だけしないと居心地悪く感じる。周りがしていないことを自分だけしていると居心地悪く感じる。
「自分がしたいかどうか」ではなくて、「居心地悪く感じる」のが嫌だから〇〇するというは、同調圧力が働いているサインです。
周りがみんなやっていることを自分だけしていないとなると、なんだか「マナー知らず」のような気がしてくる。本当はそんなことはないのだけれどそのように感じさせる「暗黙の圧力」が同調圧力なのです。
私のストーリー
香港の日系企業でOLをしていた頃、周りが「残業するのが当たり前」という空気の中で、ずっと定時キッカリで帰り続けていた私は毎日「居心地の悪さ」を感じていました。
しかし私の強いところは、「居心地の悪さ」に屈することなく、ずっと自分を貫いて生きてきたことです。日本人従業員が全員参加していた土曜日の夜に行われる社長の誕生日パーティーも、私一人だけ欠席していました。
社長秘書だったにも関わらずです。
理由は「週末くらい職場の人と会わずに済ませたい」からです。
10年以上前の話です。
たさくさん陰口を叩かれたりしましたが、どれほど針の筵(むしろ)になろうとも、私は「やりたくないことはできない」人なので、ずっとそのように生きてきました。というか、そういう生き方しかできない人です。
私にとって問題だったのは、ずっとそのことに自責の念と劣等感を抱いていたことでした。自己否定が強かったので、「周りと同じようにできない自分は」はダメな奴と、奥底では自分を否定していました。無意識のうちに。
私を苦しめていたのは外側の世界にいる他者の陰口ではなく、自分の中にあった自己否定感だったのです。自己否定を癒してから、自分を責めて苦しむことはなくなりました。
自分が何をするしないの基準は、「自分がしたいかしたくないか」しかありません。同調圧力に屈していれば居心地は良いでしょうけど、イコールそれが自分のやりたいことではないのです。そのように惑わされているだけ。
「なぜ〇〇しているの?」と聞かれたときに、「うーん・・・みんなやってるからね」と答えている人は同調圧力に屈しています。本当の自分ではなく、世間から求められる自分を生きているだけです。
そのように生きたいのであれば構わないのです。
ですが、もっと生き生きと自分を生きたい人は、偽物の「居心地の良さ」に惑わされることなく、「居心地が悪い思い」を乗り越えて、自分の軸で生きられるようになりましょう。
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