無意識の状態とは、言葉を変えて言えば「自覚がない」「気づいていない」状態のことを指します。
例えば、自分の口癖は他者から指摘されるまで気づかないものです。自分ではすっかり当たり前になってしまっていて気づけない「癖」があるのに自覚がない状態を「無意識」と言います。
アウェイクニングとは、無意識から目覚めて「意識的」になることで本来の自分へと回帰していくプロセスのことです。
目次
自覚がない状態が無意識
私は10年以上前に、ある人から「あなたは相手に合わせるから」と言われたことがありました。
今の私は、自分の中に「相手に合わせる」「相手に迎合する」自分がいることを自覚しています。ですが当時はまったく自覚がなかったために、そう指摘されたときにピンとこなかったし、意外に思ったことを覚えています。当時の私は、「私はどちらかと言えば人に合わせない方なんだけど」くらいに思っていたのです。
しかし掘り下げていくと、確かに私には「相手に合わせる」「相手に迎合する」部分があったのでした。その証拠に、よく「変な人」を引き寄せては悩みを抱えていました。「変な人」ばかり引き寄せてしまうのは、自分の中に相手に付け入らせている(合わせている)部分があるからなのです。
ただその部分に対して自覚がなかっただけ。つまり、無意識の状態だったのです。
シャドーアスペクト

自分の中にしっかりあるにも関わらず、自分で自覚できていない要素のことをシャドーアスペクトと呼びます。
先の私のケースで言えば、「相手に合わせる」「相手に迎合する」要素は、私のシャドーアスペクトです。私の一部であるにも関わらず、「自分はそうではない」と思い込んでいるために、潜在意識の中に押さえ込まれて、意識の中に統合できていない断片として残っている要素です。
無意識の領域が多ければ多いほど、シャドーアスペクトは増えます。そして、外側の世界の他者や物や出来事にシャドーアスペクトを投影し、それに対して感情反応を抱くという現象を生み出すのです。
ネガティブ投影
「生理的に受け付けない」「無理」「よくわからないけどイラっとする」などのケースはネガティブ投影が起こっています。ネガティブ投影とは、自分の中で受け入れられていない、否定している要素を他者の中に見出して、ネガティブな感情を味わう現象です。
- 自分がない人にイラっとする
- 自己主張が強い人が苦手
- 自分らしく生きている人は「わがまま」だと思う
- 内向的な我が子を受け入れられない
こうした場合、相手に見出している「嫌いな要素」がシャドーアスペクト、つまり、自分で自覚できていない自分の側面です。この部分を「受け入れる」ことで意識の統合が進んでいきます。
- 「自分がない」自分のことを否定していたんだな
- 本当は自己主張したいのに、ずっと我慢していたんだな
- 本当は私だって自分らしく生きたいのに、あの人だけ自分らしく生きるなんて許せない
- 「内向的な自分」はダメだと言われて、外向的になるように頑張ってきた
オレンジ色の部分を「受け入れて愛する」ことで、人格がより統合的なものへと成長していきます。「受け入れて愛する」とは、「その自分で良い」と、OKを出すことを指します。そういう自分でOKと自分が思えることが、自分を愛することなのです。
ポジティブ投影
「憧れる」「自分にない要素がある人に惹かれる」「なんとなく素敵だと感じる」などのケースではポジティブ投影が起こっています。ポジティブ投影とは、自分の中にあるにも関わらず自分の性質として受け入れられていない要素を他者の中に見出して、ポジティブな感情を味わう現象です。
- 素直に感情表現ができる〇〇さんが羨ましい
- 自分の意見を堂々と言える人はすごいと思う
- キャリアを持っている人に憧れる
- 貫禄のある人はいいなぁと思う
こういう場合は、相手の中に見ている「憧れの要素」を、自分自身が少しだけ体現できるようになることで、統合が進んでいきます。
- そういえば、子供の頃は自分の感情を素直に表現していたなぁ。でも親に叱られて、やめたんだった
- 自分の意見を言ったとき周りから笑われて恥ずかしい思いをしたんだった。あれ以来、自分の意見を言うのをやめてしまったなぁ
- キャリアを持つの夢だったけど、私は取り得がないから・・・
- 家の中に強い人がいたから、自分を出すことができずにいつも弱い立場に甘んじてきたなぁ
自分自身を深く掘り下げることで、本当は自分の中に眠っている本来の要素を探りあてる作業が必要です。あとは実生活の中で行動を起こして、少しでもその要素を取り入れていくのです。
- 自分の正直な気持ちを話してみる
- たとえ相手の意見と違っても、思い切って自分の意見を言ってみる
- 小さなキャリアでいいから、一歩を踏み出してみる
- 本当の自分を出して、相手よりも強気で出てみる
最初から最後まで見ているものは自分

私たち人間は、自分の中にない要素は外の世界にも見ることができない生き物です。ポジティブでもネガティブでも、外の世界に見ているものは、自分の中にも確実にあるのです。どんなに認めたくなくても、それは事実なのです。
その事実から目を背けることなく、自分のすべての側面を受け入れて愛せるようになるプロセスがアウェイクニングです。

1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。
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