「周りに迷惑をかけてはいけない」という承認欲求を手放す

20年ぶりに日本へ帰って来て生活するようになって、よく聞くなぁと思ったフレーズが「周りに迷惑をかけないために」です。

私から見ると、大多数の日本人が「周りに迷惑をかけること」を極度に恐れて生きているように映ります。さらに言えば、「周りに迷惑をかけないこと」が生き方の目標になってしまっている人までいる。

これは本末転倒な生き方です。

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「周りに迷惑をかけるな」は、日本人が集合的に刷り込まれている規範意識の一つです。しかも「迷惑」の意味が取り違えられている。

周りや世間から嫌われる・拒絶されることを恐れるあまり、「私は周りに迷惑をかけないように精一杯生きています」とアピールすることで、承認を得ようとしているのです。

「周りに迷惑をかけたくない」は承認欲求の現れです。

「迷惑行為」とは

「迷惑行為」とは、利己的で自分都合で他者の境界線を侵害する行為のことを指します。

  • 真夜中に大声で歌を歌いながら路地を歩く
  • 他人のものを無断で借りたり使ったりする
  • 借金をしておいて返済しない
  • 強引な勧誘やセールス行為
  • 自分の責任を負わず他者のせいにする(責任転嫁)
  • こちらの都合も考えずに依存してくる
  • など

こうしたことをされると「迷惑だなぁ」と思いますし、本気でやめて欲しいと思います。

日本人が「迷惑だと思い込んでいる」こと

ですが、日本人が「迷惑だと思い込んでいる」ことは、本物の迷惑ではないことが多々あります。

  • 有給休暇や体調不良その他で仕事を休むこと
  • 何らかの事情があって適度に他者へ頼ること
  • 生活保護や失業保険を申請すること
  • 自分の力が足りなくてチームに参加できないこと
  • 病気や事故に遭って看病やその他が必要になること
  • など

上に挙げた事柄は例にすぎませんが、私個人は「迷惑」とは思わないことです。

香港で働いていた頃に上司が1か月の休暇を取って旅行へ出かけたので、少し不便だなと感じたことはありました。けれど「迷惑だから止めてもらいたい」と思ったりはしません。

なぜなら自分も休暇は取るのだし、そういうときにお互いの仕事をカバーし合ったり少しの不便を耐えることは、自然で当たり前のことだと思っているからです。

こういう姿勢でいるからこそ、お互いに素直に「ありがたい」と思い合える。

私の祖父母は4人とも、寝たきりになったり入院したりした末に家族に看取られながら亡くなりました。身体が効かなくなって動けなくなった彼らを介護したり、身の回りの世話をしたり、入院費がかかることを迷惑などとは思ったことがありませんでした。

生れたばかりの乳幼児が「自分は迷惑をかけている」などと思わないのと同じように、人が生き死ぬには、周りとの助け合いや支え合いが必要であることをごく自然なこととして心得ていたからです。

もちろん、相手のことを嫌いならこうしたことはやりたくないと思うでしょう。それは人間関係の問題です。誰しも嫌いな人のお世話などはしたくありません。

関係がうまく行っているときにお互い助け合ったり協力し合ったりすることは、人間として自然なことです。

思い違いが招いた不寛容さ

いつから日本人は、そんな人間として自然ことまで「迷惑である」と捉えるようになったのか、私にはよくわかりません。「寝たきりになって家族に迷惑をかけないように・・・」なんてフレーズを本当によく聞きます。

日本のように、本当に必要な時に他者に頼ったり弱さを見せたりすることを「迷惑」と言うような不寛容さでは、社会的動物である人間は生き延びることがもともとできません。

昨今貧困や飢えが原因でひっそりと孤独死する人たちが急増している背景にも、「他者に迷惑をかけてはならない」という刷り込みと思い込みが要因の一つにあると、私は考えています。

誤解を正して認識を新たにする

今の時代、言葉の定義をしっかりすることは本当に大切です。

何が迷惑で何はそうでないのか、他者に依存することと頼ることの違いは何か、そうしたことを明らかにする必要がある。

その上で共依存に根差した承認欲求を乗り越え、必要なときに互いに支え合える社会を実現することが急務であると考えています。

百瀬 章子 

1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。​

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1973年長野県生まれ。約20年に渡り5か国に暮らしながら心理学、形而上学、精神世界を学び実践してきた。2018年に自身の経験をシェアしたブログを開設。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たち、自分らしく生きたいオールドソウルたちの個性化のプロセスをサポートしている。

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