人として成長したいと願うのであれば、やることはただ一つ。
生活におけるすべてを自分で決めることです。
些細な事から就職や結婚といった人生の一大事に至るまで、とにかくすべてを自分で決めてその選択の責任を負って生きると決めること。
それを実行すること。
それが人として成長できる唯一の道です。
日本の人たちは、何かあったときに「自分はどうしたいのか」ではなく、「自分はどうすべきか」と問います。人として正しいこと、人としての正解があって、それをお手本にして生きなくてはならないと頑なに信じている。
あるいは、周囲の人たちのことを考え、その人たちの気持ちを考えて自分のやること・やらないことを調整しなくてはならないと思っている。
どちらも生き方としては健全とは言えません。

私たち人間には100%自由意志が許されていて、それに関しては宇宙ですらも関与できないほどです。
自分を尊重できる人であれば、自分のことは「自分にだけ」で決めるし、他者を尊重できる人であれば他者の生き方や決断に自分が口を挟むのは慎みます。
必要なアドバイスがあれば誰かに求めたり、また誰かからアドバイスを求められれば助言はするけれど、「最終的に決めるのは本人」という基本をしっかりと弁えています。
もちろんできる範囲で周囲や大切な人たちとの利害関係を調整する必要はあります。ですが、基本的に私たちは「私は他者を満足させるために存在しているわけではない」「相手は自分を満足させるために存在しているわけではない」という大前提をしっかりと腑に落とす必要があります。
振り返ってみれば、私は子供の頃より自分のことは自分で決める人でした。バイトや進学、海外移住に結婚に離婚、親にはいつも「事後報告」でした。
進学のようにお金がかかることに関してはもちろん事前に相談はします。けれども、親の意向に沿うように自分の進路を変えるということは、私はしませんでした(親は日本国内の学校に進学して欲しかった)。自分の意志を貫いたことが「わがまま」であるとは、まったく思いません。
もちろん、誰かに相談したりアドバイスを仰いだりすることはあります。けれどもそれも「自分の気持ちを明らかにするためのプロセス」に過ぎず、最終決断はすべて自分で行ってきました。
メンターから「〇〇してみたら」と言われたときの自分の心の反応を見て、「それはしないでおこう」と決断したこともあります。とにかくかなりハッキリとした自分がある人なので、自分の生きたいようにしか昔から生きられなかったのです。

人は、自分で決めていない人生を生きているときには恨み言ばかりです。
自分の本意でない生き方をさせられたという想いが抑圧されているので、素直に「人生すべてこれで良し」と思えない部分があるからです。
自分が無い人は、常に自分以外の誰かを基準やスタンダードにして生きています。だから「自分の人生を生きている」という現実感に乏しい。そしていつまで経っても優柔不断で白黒ハッキリさせることができません。
「曖昧なままの状態」で良しとする人は、簡単に言ってしまえば子供なんです。
「大人になる」とは、ある程度のところでリスクを取って腹を括り、白黒ハッキリと決断を行い、たとえ結果がどうでもあっても、それを引き受けて生きることができることを指します。
すべてを自分で決めるとは、まったく失敗しないということではまったくありません。その反対に、自分で決めて行動して失敗し、失敗を分析して反省し経験から学び、次に活かすということの繰り返しです。
それを10年20年と積み重ねるうちに「自分だけの生き方」が出来上がっていく。40を超えた頃には「これが私」と言えるものが少しは出来ているものです。
自分がないままに身体だけ年を重ねてしまった人たちは、いくつになっても中身は子供のままです。
50歳でも60歳でも、まだ不安と心配に怯えている。

最近の私が妙にどっしりと落ち着いた感があって、「百瀬さんのその落ち着き方はすごい」と人から言われるのは、やはり人生をそれなりに真剣に生きてきたからだと思うのです。
「真剣に生きる」とは、深刻に生きるという意味ではありません。そうではなく、その時々でしっかりと自分と向き合い、自分で考え、自分で決断し、その結果をすべて自分で受け止めてきたという意味です。
そのように生きてきたので、歳を取るごとに腹と肝が据わってきたのです。
まったく不安にならない、心配しないということではありませんが、「まぁ、この先何があったとしても、私ならなんとかできるだろう」という自分に対する信頼感が半端なくあるからブレることは無くなりました。
もしもあなたが人として成長しなが生きたいのであれば、これからはすべてを自分で決めて実行して生きることです。
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