「ありがとう」と言われることを目標としてはならない -人間を本当に満足させる仕事とは何か-

以前、堀江貴文氏がこんなことを仰っていました。

「スーパーのレジ打ちの仕事とかは「リピート」だから意味ない。もっと「ありがとう」って言われる仕事をした方がいいよね」

「リピート」の意味はさておいておいて、恐らく堀江氏は「もっとやりがいのある仕事をした方がいい」と言いたかったのかなと推測します。

私は堀江氏とは正反対の考えで、「ありがとう」と言われることを目標として何かをしてなはならないと考えています。

なぜなら、承認欲求を満たすための補償行為と本当にやりたいことの見分けがつかなくなるからです。

この記事ではそのことについて掘り下げてみたいと思います。

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「ありがとう」と言われるのは結果論

自分が何かしたことに対して誰かが「ありがとう」と言ってくれればそりゃ嬉しいし、「良かった」とも思います。

だけどそれはあくまでも結果論。

最初からそれが目的ではあってはなりません。

私がフォローしている YouTuber の一人は今や世界的なアーティストです。

彼女は「ありがとう」と言われるために絵を描く訳ではないです。

ただひたすら内面から湧き上がるインスピレーションを形にすることに没頭する。

のめり込む。

アトリエに缶詰になって夢中でインスピレーションを形にしていく。

結果として出来上がったものが他者の感動を呼び起こす

「他者を感動させたい」という目的でやっていることではないのです。

私は文章を書くことが好きです。

ただ好きだから書いています。

結果的に私の文章を読んだ人がインスピレーションを得たり、何かを理解したりすればそれはそれで嬉しくないことはないです。

でも、他者から「ありがとう」と言われたり「感謝」されることを目的としてやっているわけではないです。

もし「ありがとう」と言われることを目的としてやっているのであれば、4年間もこのペースで無償の記事を書き続けることはできなかったでしょう。

ただ自分のやりたいことをやる。

その純粋さが大切だとういうことです。

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「ありがとう」と言われたいは動機が利己的

国際結婚することになったとき、初めて外国人の夫を日本の親族に引き合わせたときがありました。

私は長野の出身で、母方の田舎はとても小さな町です。

その田舎で親族は手料理を振舞ってくれました。

しかし、私は本当は知っていました。

外国人の主人は日本食がそこまで得意ではない。

むしろ、コテコテの日本食は苦手。

でも、親族に気を遣って苦手な食べ物でも我慢して食べて「おいしい」フリをしていたことを。

「おいしいと言われるのが嬉しくて」と、親族は言いました。

それこそが相手との間に心理的距離をつくってしまう「期待」そのもの。

別の例を出します。

夫のために妻がケーキを焼いた。

しかし、家に帰ってきた夫は疲れていて「今日は何も食べたくない」と言う。

「せっかくあなたに喜んでもらいたくてケーキを焼いたのに」落胆の色を隠せない妻。

「わかったよ。ケーキ、食べるよ」という優しい夫。

「ねぇあなた、ケーキ、おいしい?」。

乾いてぱさぱさになったケーキを頬張りながら夫は答える。

「うん、すごくおいしいよ。これ、作るの大変だったろう?いつもありがとう」。

輝く妻の顔。

「そう言ってもらえれて、すごく嬉しい」。

果たして夫のためにケーキがあるのか、それともケーキのために夫がいるのかわからない状態です。

妻の内面にある満たされなさや自尊心を補うために夫からの「感謝」や「ありがとう」を必要としているのであれば、それは愛情飢餓を満たすための補償行為でしかありません。

妻は夫のためにケーキを作っているわけではなく、自分のためにすべてをやった上で夫を利用しているだけ

本当に好きで何かをしている場合、相手から感謝されなくても、「ありがとう」と言われなくても落胆したりはしないものです。

けれども本当の動機が利己的だったとき、「ありがとう」と言われない、感謝されなければ「不満」が出てきます。

これが「ありがとう」と言われることを目的としてはならない本当の理由です。

相手から「何か」を期待して行動している人は、内面に心の穴を抱えています。

ありのままの自分では価値があると感じられず、誰かに対して何かをしてあげたり、お世話をしてあげたりすることでしか、自分の価値を確認できない側面があります。

これを共依存と言います。

人間の仕事の本質は創造(クリエイション)

人間の本質の一つは「創造性」です。

例えば今ここに7億円あって、これから先ずっとお金に困らない生活ができるとしたらどうなるでしょうか。

最初の数年は、今までの我慢の反動で贅沢三昧をして過ごすかもしれません。

でもそれは長くは続きません。

人間は、どうしても何かクリエイティブなことをせずにはいられない生き物だからです。

人間の子供を見ていればわかります。

子供はじっとしていることが苦手で、常に何か「遊び」を探しています。

人間の本質は遊び、つまり、クリエイションなのです。

  • 絵が好きな人なら絵を
  • 料理が好きな人なら料理を
  • 服が好きな人なら服を
  • 書くことが好きな人なら書くことを
  • 踊る事が好きな人ならダンスを
  • 花を育てるのが好きな人は園芸を
  • 物を作るのが好きな人なら手芸を

とにかく何でもいいから「創造的な活動」をしたくなるのが人間なんです。

本質を完全に見失った現代社会

大人になったら一日のうち10時間くらいは仕事と通勤に費やして自分の時間はたったの2時間。その2時間をスマホを見つめて過ごすという事態に陥っています。

ほとんどの仕事は創造性のかけらもなく、ただ雇い主を満足させるためだけに隷属することを強要されます。

雇い主は従業員に対して「皆さん、いつもありがとうございます、皆さんの働きに感謝しています」などと言いますが、そのような言葉が相手に響くことはありません。

海外の企業はまだマシなんです。

ちゃんと給料やボーナスや福利厚生という形で従業員を満足させるように還元しているからです。

でも、日本の企業は「ありがとう」や「感謝」を口にするだけで、従業員が満足するような待遇を決して与えようとはしません。

唯一人間を満足させる仕事

だから、やっぱり自分が本当にやりたいことをしてください

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やりたくないことはしないこと。「ありがとう」と言われなくても、「感謝」されなくても、それでもまだやりたいと思えることをしてください。

もしも今すぐそれを仕事にできないのなら、何でもいいから自分がやりたいと思える趣味を始めてください。

ゲームやコンテンツ消費は趣味とは言いません。

それは単なる現実逃避と暇つぶしです。

そうではなく、もっとクリエイティブな何かを始めてください。

それだけが唯一人間を本当に満足させる仕事です。

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