日本人の集合意識に残るジェンダー差別意識

近年、日本のジェンダー差別意識の低さが取りざたされるようになってきました。

世界経済フォーラム(WEF)が発表している男女平等の度合いをランキングした「ジェンダー・ギャップ指数」の2021年日本のランキングは、156か国中120位でした。

今回は、またしても政治家発言で揺れている日本のジェンダー差別意識の低さについて書きます。

世界120位 低い日本の男女平等

政治家の本音がポロリと出てしまう「失言」は大した問題ではありません。

本当の問題は、日本人の集合意識の中に根強くジェンダー差別意識が残っているということです。

日本社会は、びっくりするほど男女平等が進んでいません。

人類の歴史上男女の性差別は時代と共に進化・進歩してきました。

先進諸国をはじめとする諸外国では、すでに性差別意識はかなり改善されてきています。

アジアで一番男女差別が少ないのはフィリピンで、ジェンダー・ギャップ指数のランキングでは16位です。

ランキングに表れているように、日本のジェンダー意識は世界から相当遅れをとっているという現状があります。

そしてそのことに気づいている日本人が少ない。

日常生活に表れる意識の低さ

意識の低さは日本人の日常生活の中に表れています。

私が暮らしている北海道は、ジェンダーギャップ指数が日本で一番低い場所です。

つまり、世界的に見てもっとも女性の権利が認められていない地域に、今私は暮らしているということ。

周りの人たちの発言の中に、無意識の差別用語がバンバン出てくるのには、当初辟易したものです。

北海道の人たちには、「夫が大黒柱、奥さんはサポート」という意識が未だにあります。

日本の就労制度や税制に「扶養」「パート」という制度が存在していること自体、女性が社会的に平等に扱われていないことの証拠です。

ですが、そのことを疑問にすら感じていない人がほとんどという現状があります。

日本における「扶養」「パート」という言葉は、主に女性のためにあるものです。

つまり、既婚女性に対して働き方を制限するため(抑えるため)の制度

こんな制度がある限り、雇用機会均等法などを定めたとしても、女性の働きやすさは推進されないでしょう。

女性の中にも、そうした待遇を自ら望むような姿勢が見え隠れし、未だ意識が低いことを感じざるを得ません。

性差によって何かしらの別を設けること自体が「平等」ではないという意識がほとんどないのです。

「平等」とは、男性と女性を「同じように扱う」という意味ではありません。

性差に関係なく、「等しい権利を与える」という意味です。

女性が逃げている現実

私はイスラエル(ボランティア)、オランダと香港で働いたことがあります。

香港では15年に渡り働いて税金も納めてきました。

オランダでも香港でも、「扶養に入る」という制度はありませんでした。

夫が失業したり病気療養に入ったりすれば、妻が夫を扶養する義務があります。

大方の家庭では夫婦が均等に生活費の分担をしています。

日本では、「夫の扶養に入る」ことで自分の人生と向き合うことから逃げている。

「自立しようとしない女性」たちが多くいることが気になります。

かつてはヨーロッパやアメリカでも、女性たちがそのような生き方をしてきました。

しかし、21世紀には、そういう女性はほとんど見かけなくなりました。

日本ではたとえ法律という「建て前」で男女雇用機会均等法が定められていても、実際には「扶養」「パート」という制度がある。

女性自身が不平等に扱われることを選択しているという現実があるのです。

理由はその方が楽だから

人生観や価値観は人それぞれですから、どんな生き方があってもよいと思います。

専業主婦という生き方があってもいいだろうし、「扶養に入って何が悪い」ということはありません。

ですがいつまでも誰かのサポートに甘んじて自分の人生を積極的に生きようとしないことは「停滞」なのです。

「停滞」は宇宙の本質とは相反するものです。

今の時代、人生から逃げ続けることはますます難しくなってきています。

ある時点でこの問題に向き合わされる女性が増えていると感じています。

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サポート体制を整えることが急務

日本には、女性が安心して働けるためのサポートがほとんどありません。

そして、未だに「家事や育児は女性がやるもの」という意識が根強い。

男性は外で働いていれば、家の中のことは「手伝い」程度の認識を持っている人が大半を占めています。

自分が当事者であると自覚している男性が少ないのです。

これはあまりにも時代遅れで時代錯誤の意識と言わざるを得ません。

生活労働のほとんどを女性が担うのが当たり前という意識を、まずは変えていく必要があります。

そして、必要なサポートを得られる体制を整えていかなくてはなりません。

香港で暮らしていた時、私は家事手伝いの人にお願いしていました。

週2回家に来てもらって、掃除・洗濯・アイロンがけ・買い物などをやってもらっていたのです。

そのお陰で私は家事に追われることなく、安心して暮らすことができました。

家事から解放されるのって、すごく楽です。

人生が豊かになる。

日本人は、自分の家の世話を他人に頼むことに抵抗がある人が多いみたいです。

拘りや制限を外すだけで、生活は各段に楽になるのに。

すべてを自分で背負おうとするのを止める。

得られるヘルプやサポートを得たり誰かに頼れることは、「自立」を考える上では大切な要素です。

本質的な変化が必要

法律や制度を男女平等に整えることはむろん必要です。

いつまでも「扶養制度」を設けていたり、主婦を搾取する「パート」などという雇用身分があるうちは、本当の意味での男女平等を進めることは出来ません。

その部分を変えていくことは必要でしょう。

しかしもっと肝心なことは、日本人一人一人がもっとジェンダー差別に対する意識を上げていくことです。

多くの方は、この状況を全く疑問にすら思わず、当たり前のようにして受け入れてしまっていると思うのです。

制度や法律などの表面的な改革(建て前を整える)だけではなく、意識の改革が必要です。

外の世界を知っている人たちの話を聞き、今あるすべてを疑ってみる問題意識はどうしても必要なのです。

自分たちの価値観や伝統を守っているだけでは、いずれ成長は頭打ちになります。

新しいものや自分とは違うものにマインドを開き、柔軟な思考へとシフトしていけることこそ、今の時代に求められている資質なのです。

「扶養制度」「パート」「身元保証人制度」「戸籍」、どれも日本特有の制度です。

その多くは今の時代には合っておらず、機能することが難しくなっています。

変化が必要なのです。

日本人の意識が変わらない以上、何も変わりません。

本音の部分では未だに時代遅れの価値観や考え方がまかり通っているのです。

一人ひとりが意識を覚醒させ、常に問題意識を持って日常生活を生きることが何よりも求められています。

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