昨今日本では「女性の自己肯定感」がトレンドのキーワードらしいです。なんでも「流行り」にしてしまうところが日本文化らしいなぁと思うこの頃です。
「女性が自己肯定感を上げる」って一体どういうことなのかでしょうか。
しっかりと言葉の意味を理解していないとあらぬ方向へ行ってしまいますので、例によってこの記事では「言葉の定義」をしっかりとしていきたいと思います。
「自己肯定」とは何か

「自己肯定」とは、読んで字のごとく、あらゆる自分をそのまままるっと肯定できている状態のことです。
「自己肯定」の反対は「自己否定」。
「自己否定」とはつまり、「こんな自分は何かおかしいのではないか」「こんな感じ方をする自分は何かおかしいのではないか」「今のままの自分では受け入れてもらえないのではないか」「自分を変えなくては愛されないのではないか」と、まぁこんな風に感じている状態のことを指します。
養育期に養育者からどんな接し方をされたかに大きく影響を受けますが、養育者が子供のあなたのすべてをまるっと認めて受け入れてくれたのであれば、自己否定感は残りません。
しかし、日本の大方のケースでは自己否定的な養育者に育てられているために、潜在的に強い自己否定感を抱えた人が多いです。
- シャイで内気な自分はダメ
- 好き嫌いが多い自分はダメ
- 何事も長続きしない自分はダメ
- 本音と建て前を使い分けられない自分はダメ
- ぽっちゃりしている自分はダメ
- 痩せすぎている自分はダメ
- 仕事が長続きしない自分はダメ
- 周囲に馴染めない自分はダメ
- 友達が少ない自分はダメ
- 相手に対してこんな感じ方をする自分はダメ
- 人との縁を切る自分はダメ
- 不器用な自分はダメ
- 顎が出ている自分はダメ
などなど。
特に日本人はこういうことを気にしすぎて自分にダメ出しし、それが「謙虚さ」であると思い込んでいる人がとても多いです。
理由は前述した通り、養育期に養育者から自分のこういうところを否定されて「それではダメだ」というメッセージを受け取りながら育ったからです。
ですがそれは単なる文化に根差した思考の歪みに過ぎません。
自己否定的な人間を作る子育て

「お姉ちゃんは好き嫌いなく何でも食べてくれるから楽なんだけど、弟ちゃんは好き嫌いが多くて困るのよね・・・どうしたら何でも食べられるようになってくれるのかしら?」
親御さんからこんな相談をよく受けるものですが、これ自体が完全な親のエゴであることにまずは気づくことが必要です。
好き嫌いは本来「治す」ものではなく、「そのまま受け入れる」ものです。私はほぼ50年生きて来て、様々な好き嫌いがありますが、それがあって「困った」という経験はまずないです。むしろ、「自分の好き嫌いが自分を守ってくれている」と感じる局面の方が多い。
私の友人の多くが住むオランダでは、好き嫌いはそのまま受け入れることが当たり前になっています。親友の8歳の長男は「米が大嫌い」で見るのも嫌ですが、ディナーでライスが出る日には、彼にだけパンやポテトが提供されています。誰もそのことについて文句や嫌味を言ったりはしません。ありのままの(米が大嫌いな)長男をそのまま受け入れているのです。
子供は自分を楽にしてくれたり、自分を気分よくしてくれるためにいるわけではありません。子供はただ自分らしく自分の人生を生きるために存在しています。子供の好き嫌いが多かろうが少なかろうが、それに対して親がどう感じるかを子供のせいにしているその利己的な動機をまずは直視することが必要でしょう。
親のエゴに根差した支配的な子育てが、自己否定感の強い人間を大量生産してしまうのです。
一方、自分の自然な在り方をそのまま認め受け入れられた子供は、「ありのままの自分のままで十分愛されている」という実感を育みながら成長することができます。
この実感こそが、「自己肯定感」と呼ばれるものです。
好き嫌いがあろうと、内向的な性格であろうと、飽きっぽい移り気だろうと、集中力がなく注意散漫であろうと、それが「その人らしさ」として受け入れられる環境があれば、人は自分の個性を十分に開花させていくことができるのです。
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女性が自己肯定感を上げるとは

さて、女性が自己肯定感を上げるとは一体どういうことか。
それは、自分の自分らしさを十分自覚して、その自分らしさを全面的に肯定して押し出しながら生きていく様を指します。
私は女性をよく「花」に喩えるのです。
- バラ
- 百合
- タンポポ
- スミレ
- チューリップ
- ひまわり
- 菊
同じ「花」でもそれぞれまったく違う個性を持っていますよね。
要は女性も「花」とまったく同じわけです。
花は自分を他の花と比べて自分にダメ出しし落ち込んだりはしません。
百合の花がバラの花を見て「どうして私はバラみたいに華やかじゃないのかしら?私には魅力がないのでは?」なんて自分の姿を恥じたりはしないし、バラの花がタンポポをみて「なにさ、あんな風に純朴さを装っているけど、内面はそうとうしたたかだよ!」なんてマウントしたりもしない。
花はただ自分のありのままの姿をさらして咲き誇るだけ。
そうすると、「そんな自分」をいいと思ってくれる人が引き寄せられてくるのです。
万人から好かれることは最初からできません。なぜなら、人には必ず「好み」があるからです。バラが好きな人もいれば、タンポポやスミレが好きな人がいる。
それが個性というものです。
私自身は自分を「チューリップ」タイプの女性だなと思っています。個性的で風変り。実際にチューリップが一番好きな花だったりします。ですが、パートナーからは「ももちゃんはひまわり!」と断言されています(笑)。
女性の陰陽バランス

一言に女性といっても、様々な陰陽バランスの方がいらっしゃいます。
宝塚の娘役出身の檀れいさんのように可愛らしく女性らしい女性、宝塚男役出身の天海祐希さんのようにハンサムで男前な女性、マイリーサイラスのように中性的な女性。
人の在り方は、その人の中の男性性と女性性の比率(バランス)によって全く異なってくるものです。
私はと言えば、男性性6割女性性4割の中性的なタイプで、パッと見はかなり男前なタイプです。でも好きな人の前では「女」の部分を解放できるだけの女性性も持ち合わせている。
自分にとって大切な人に対しては思いやりと優しさをたっぷりと注げるけれど、ダメなものはダメときっちりと線引きできるだけの男性性もある。
そんな自分をとても気に入っています。
以前から「隙がない」とか「クールすぎる」など言われてショックを受けたこともありましたが、それって別に悪いことじゃない。別の言い方をすれば「誰彼構わず媚を売らない」ということだし、自分をしっかりと持った女性だということです。
自分のそんな部分をちゃんと認めて受け入れて、「私はこれでいいんだ、そのままで十分愛される」と自分を肯定していると、そんな魅力が好きだという人が寄ってくるようになります。
欠点や問題は直す
私たち人間は、本格的なインナーチャイルドの癒しに取り組むまでは、様々な機能不全や問題を抱えています。それが人生の様々なエリアで具現化してくる。
自分のカルマや人格的な欠陥や欠点はしっかりと直視し、改善することが必要です。
酒・タバコ・ギャンブル・お金・ドラッグなどの依存があれば治療に取り組み、性格的・人格的な欠点を自覚を強めながら普段の生活の中で改善していく取り組みが必要になります。
自我がしっかりと発達しないうちはエゴ(自己防衛機能)が強く、自分の欠点を真正面から直視することができません。ある程度自我が発達してくると、自分の欠点を見据えることができる強さも育まれてきます。
基本はどんな自分でも否定せずにまるっと認めて受け入れる。その上で欠点や問題は直し、弱点は補う。自分の個性や魅力をしっかり認め自覚する。それらを磨きながら自分らしさを貫いて生きる。
それが、女性が自己肯定感を育てる方法です。
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