「疑うこと(恐れ)」は簡単 「信じること(愛)」ことは簡単ではない

私たち人間が暮らす3D世界は、「恐れベース」の世界です。

不安定や心配を回避するために安定を求め、孤独を回避するために繋がりを求め、自立できないために自分以外の誰かや何かにしがみ付いて執着して生きている。

すべての動機が「恐れ」であるのが3D意識の大きな特徴で、3D世界はその「恐れ」をいかに感じないようにするかですべてが成り立っている訳です。

何かを「疑うこと」は怖れベースで、「疑う」ことは本当に簡単です。私たちは常に何かを「疑っている」と言っても過言ではないでしょう。

一方「信じること」はそんなに簡単じゃない。不可能ではないけれど、誰にでもできることではないと私は感じています。

ここで言う「信じる」とは、誰かや何かを妄信したり、執着して「自分の思い通りにできる」と思い込むことではありません。

「信じる」ことができるためには自立が必要

誰かや何かを「信じる」ことができるためには、その対象から自分が完全に自立できている必要があります。

例えば、ここに「どうしても東大に合格したい」と望む受験生がいるとします。彼は「東大合格」を「信じて」、昼夜受験勉強に励んでいます。

この場合、彼が真から自立的に東大合格を信じるとは、「自分は東大に合格できる可能性が十分にあるし、相応の学力を身に着けさえすればきっと合格できるだろう」と、力みのないリラックスした状態で「信じることができること」です。

そして、万が一合格できない可能性も同等に受け入れることができている状態

世の中には自分の努力だけではどうにもならないことがあるという事実を受け入れ、その時には執着を手放して別の道を歩むだけの心のゆとりがある状態です。

このような心理状態を「自立」と呼び、波動的にはフラットな状態です。

一方、恐れベースで何かを「信じたい」と思っているとき、万が一東大に合格できないことなど考えたくもないし、そうならないように過度な勉強を自分に強いたり、逆に最初からトライせずに諦めてしまったりします。

「東大に合格できなくても自分の価値は変わらない」という健全な自己肯定感を持てていないので、万が一合格できなかったときのことを極度に恐れています。「恐れる」とは、望みが実現しない状況を受け入れられないということです。

自分の価値が「東大合格」に依存してしまっているために、それ以外の人生設計を考える余地がありません。

こうした状態で「自分は絶対に東大に合格できるはず!」と思い込もうとするのは、「信じる」ことではなく執着と依存です。

何かを信じることが簡単でない理由は、多くの人は心理的な自立をまだ成し遂げられておらず、多かれ少なかれ執着と依存から自由になれていないからです。

「疑うこと」はとても簡単

一方、「疑う」ことは簡単です。

幼少期に養育者から十分に愛されたという実感を持たない私たちは、相手や他者がどれだけ自分に愛情を向けてくれても、それを素直に受け取ることができずに絶えず「疑い」のまなざしを向けてしまいます。

子供の頃より「愛を受け取れるはずだ」と信じて裏切られ、沢山傷ついてきたから「そう簡単には信じないぞ!」と防御を固くしているわけです。

例えば、以前私の知る25歳の女性がこんな不満を漏らしました。

「彼は、私の誕生日にプレゼントをくれないんです」。

誕生日のプレゼントをくれない彼というのもちょっと珍しいなと思って話を聞きながら、「そんな彼との付き合い自体を考え直したら」と思っていました。

ところが、話を聞くにつれ「彼はどうでもいいときには花を送ってくる」ことがわかりました。当時その女性は香港に住んでいて、彼は日本に住んでいる遠距離恋愛でした。東京にいる彼は香港にいる彼女に花を届けるために、アレコレ手配して「ひまわり」を届けてくれるという話でした。

「信じられないでしょ、そんな無駄なプレゼントをして。肝心の誕生日のプレゼントはくれないなんて。ありえませんよね」

彼女はそう言って憤っていましたが、「これは完全に悲しきすれ違いだ」と、私は聞きながら暗澹たる気分になったのです。

つまり、彼は「彼なりの」精一杯の愛情表現をしている。しかし、それが「彼女の定義」に合わないだけなんです。

彼は確かに彼女を大切に思っていて、その愛情を伝えたいと、精一杯をしている。ただ、彼女の中に「自分は愛されていないのではないか」という疑いがあるために、その愛情を受け取れていないだけ。目に鱗が入ってしまっているために、真実が見えていない状態です。

インナーチャイルドがしっかり癒えておらず、自分の中に意識的になれないうちは、女性は自分の愛される価値に気づくことができません。

自分は愛される価値のある存在である、自分は今でも十分愛されているという自信が持てないために相手の愛を受け取れず、その絶望感が相手の男性を遠ざけてしまうのです。

例に出した女性も、しばらく経った頃に男性の方から別れが切り出されて破局してしまいました。

これは典型的な恋愛に関する恐れの例ですが、日常生活の中に「恐れベースの疑い」が原因でご破算になっている人間関係や問題は山ほどあるのです。

私たちが自分の中の恐れに意識的になって、「今自分は愛を選んでいるのだろうか、それとも恐れに囚われているのだろうか」と自問できるだけのプレゼンスを育むことが必要です。

その為には、いつも書いているようにインナーチャイルドの癒しが先決。その中で、潜在意識の深く埋め込まれている痛みと恐れを解放して癒し、愛の記憶に書き換えていく作業が必要です。

何かや誰かを信じるには、勇気が要ります。

傷つくことを怖れず、厭わず、自分を愛し、相手を愛せることが、私たち人間がこの世に生きる醍醐味です。その状態に近づくために、自分の中の恐れに取り組み自分を愛で満たすことが大切なのです。

百瀬 章子 

1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。​

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1973年長野県生まれ。約20年に渡り5か国に暮らしながら心理学、形而上学、精神世界を学び実践してきた。2018年に自身の経験をシェアしたブログを開設。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たち、自分らしく生きたいオールドソウルたちの個性化のプロセスをサポートしている。

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