相手を大人として扱う

日本文化の中には、健全な父性(男性性)の欠如に起因する幼児性があります。

日本人に父性が欠けていることは多くの知識人・文化人が指摘してきましたので、今更私が書くまでもないでしょう。

この記事では、「相手を大人として扱うこと」というテーマで、日本文化に体現されてしまっている幼児性と、それに対する唯一のレメディ(特効薬)である健全な父性について書いていきます。

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幼児性と未熟さの発露

ファーストフード店のレジで勧められるままに大量のジャンクフードを食べ続けた結果、健康を害すまでに至った人がいるとします。

自らの健康を害したことに怒りを感じた客は、「自分の健康が損なわれたのはファーストフード店で毎日要らない商品を勧められたから」とクレームをつけました。

店側はこうしたクレームが二度と起こらないように、商品を勧める際に「食べすぎはあなたの健康を損なう可能性があります」と一言付け足すように「改善」しました。

健全な感覚を持った人であれば、この話のおかしさはわかりますよね。

健全な父性の発露

健全な父性を兼ねそろえた店であればどのような対応になるのでしょうか。

まずはクレームが入った時点で、丁寧に、けれどきっぱりとした態度で「そのようなクレームをつけてもらっては困ります」と言い渡すことでしょう。

それが内面が成熟した人の姿勢なのです。

一流のレストランやホテルの支配人の立ち居振る舞いを見ていればわかります。無理難題や理不尽なクレームを入れてくる客に対し、毅然とした態度で「お客様、そんなことを仰られては困ります」と言えるのが、健全な父性の在り方なのです。

ダメなものはダメ

いくらお金を払っているからと言って、何でもわがままが通ると思ってもらっては困りますよ、と言えるか言えないかなのです。

日本文化には「客の方が立場が上」という価値観があるために、店側は客側に対して「失礼のないよう」に対応するけれど、「客側は店側に対して失礼でも横暴でも平気で行う」という理不尽がまかり通っています。それを許してしまう「甘さ」が文化の中にあるのです。

父性の欠如はこうしたところに表れているのです。

日本以外の場所ではサービス提供側と客側は対等で、日本人からしてみれば「海外の接客はなってない」と感じるかもしれませんが、相手からしてみれば「日本人客は失礼で無礼だ」ということなのです。日本のように、客の横暴や無礼を許してくれる文化ではないからです。

相手を大人として扱うこと

相手を「大人として扱う」とは、冒頭の例でいえば、客側に対して「この店で食事をするかしないかは、あなたが自由に決めることです」と責任の所在を明らかにし、相手の責任は相手へきっちり返すことです。

そして、理不尽なクレームに対しては毅然とした態度で処すること。

それが相手を大人として扱うということです。

「食べすぎはあなたの健康を損なう可能性があります」と一言付け足すように「改善」するやり方は、未熟な相手に迎合するすることなのです。

相手を見くびる

もう一つだけ例を出しておきます。

多くの方は無意識かもしれませんが、過度の遜り(へりくだり)や気遣い相手に対して「申し訳ない」という態度で接することは、相手に対する見くびりです。

なぜなら、「この相手は今から自分が言おうとすることを受け止められないだろう」という「相手は自分よりも下」前提のコミュニケーションだからです。

もしも相手を一人前の大人として見ているのであれば、「この人ならちゃんと話せばきっと受け止められる」という信頼に基づいたコミュニケーションになるはずです。

多くの人が、過度の気遣いや遜り、申し訳なさそうな態度に対して嫌悪感を抱くのは、無意識のうちに相手の中にある傲慢さ(自分を見くびっている)を感じ取っているからです。

こう感じる人は、健全な自尊心と内面の成熟さがある人、つまり、内面が大人な人なのです。

本当の意味での「愛がある」コミュニケーションとは、相手を未熟な子供として扱うことではありません。「私はあなたの人間としての力を信じていますよ」という気持ち(愛)に基づき「相手を大人として扱う」コミュニケーションのことです。

百瀬 章子 

1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。​

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1973年長野県生まれ。約20年に渡り5か国に暮らしながら心理学、形而上学、精神世界を学び実践してきた。2018年に自身の経験をシェアしたブログを開設。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たち、自分らしく生きたいオールドソウルたちの個性化のプロセスをサポートしている。

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