操作的なコミュニケーションを見抜く

操作的なコミュニケーションとは、目的を達成するために話術を駆使して「会話を操作する」コミュニケーションのことです。

自分や相手の胸の中に「相手から〇〇という答えを引き出したい」という下心がある。

英語ではこれをマニピュレーション(心理操作)と呼びます。

心理操作された方は、無意識のうちにモヤとっした感覚や違和感を覚えます。

意識の違い

アメリカやヨーロッパやオセアニア諸国などの英語圏では、心理操作は「してはならないこと」という認識が共通してあります。

一方、日本では相手を心理操作することへの抵抗感がない人が多いと感じています。

「部下をやる気にさせる~」とか「相手から〇〇を引き出す~」という枕言葉がついているハウツー本が巷に多く出回っていますよね。

こういう本を買う人の多さに、私は大きな違和感を覚えます。

簡単に言ってしまえば、「相手を自分の思い通りに動かすにはどうしたら良いのか」というテクニックを伝授する本ですよね。

こういうことに関して何ら良心の呵責なく、どうどうとそういうスキルを身につけたいと思うこと自体、根本的に何かがおかしいんじゃないかと感じるわけです。

こういうハウツー本が、抵抗なく多くの人たちに受け入れられているという現状は、「心理操作すること」や「心理操作されること」に対する意識がまだ育っていないことのサインです。

隠された下心

世の中には、初対面からなぜか高飛車に出てくる人がいます。

それはそれで嫌ですが、私が同じくらい嫌なのは初対面で妙に遜って下から出てくる人です。

この二つは正反対のように見えていて、根っこは同じ「下心」。

つまり、双方共にこちらを「自分の思い通りに操作したい」という下心がある

戦術が正反対なだけです。

私は、電話でも対面でも、あからさまに相手が私を「操ろう」としてくるのがとても嫌です。

無意識にしても意識的にしても、「会話を操作している」という意味です。

相手は柔らかく遜った話し方で、決して攻撃的ではありません。

謙遜というヤツです。

しかしそれは、あくまでもその人の「本当の目的」を果たすためのポーズでしかない。

いかに私を「気分よく」させて、まんまと自分の思うツボにもっていくか、ということな訳です。

つまり「ご機嫌とりがうまい」。

多くの人はこういう話術に乗せられてしまいます。

でも私は、とても気持ち悪いと感じる。

私が、最後に「お返事お待ちしています」と書かれているメールには返信しないのはそれが理由です。

心的姿勢で撃退する

こういう相手に遭遇したときに私がどうするかと言うと、「相手にしない」という態度を貫き通します。

「相手にしない」という言葉の意味は、ここでは、「相手の戦術に乗らない」ことを意味します。

先述の通り、この2種類の人たちは双方ともこちらを「思い通りにしたい」という下心を持っています。

「相手の思い通り」にならず、あくまでも「いつも通りの自分」で対応する姿勢を貫くこと。

高飛車に出てくる相手に対しても、妙に遜って下から出てくる相手に対しても、私は「普段通りの私」で対応します。

相手の波動に引きずられて萎縮したり、逆に、「あぁ、これはご丁寧に、どうも、、、」なんて言ったりは絶対にしない。

ただ淡々と、「はい、はい、はい、はい」と真顔で一定のトーンで繰り返すだけ。

すると面白いことに、しばらくすると、相手の高飛車な態度がなくなり、遜った態度もなくなってくるんです。

相手の波動が、私の波動に同調し始めたからです。

波長とか波動とかは、「同調する性質」を持っているからですね。

私がしっかりと安定的な態度で相手に引きずられず、「自分」を一定に保っていたので、相手が私と同じトーンになってきたのです。

この状態になれば、「場」の主導権は「私」に移行します。

つまり、相手の「思い通り」にこちらが操作される心配はなくなり、「私」の意志で、したいこと、したくないことが選べる状態であるということ。

これが「self-empowered 自分に力がある状態」です。

今の私は、こちらを心理操作しようとする相手とは関わらないようにしています。

自分にとって安全ではないからです。

自分を大切にして生きていくためには、誰が自分のことを本当に大切にしてくれて、誰がそうでないのか、しっかりと見抜けるだけの感性を育てていくことが必要です。

やり方についてはかなり多くをブログ内でシェアしてきていますので、別途ご参照ください。

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