個の時代における「繋がり」の意味の変化

「繋がり」の概念の再構築は、私にとって今後じっくりと取り組むテーマの一つです。2020年を超えて、人類の意識はまったく新たなパラダイムへと入ってきました。古い時代の思考回路や通念を解体し、新しいものへとシフトアップすることが求められています。

日本の「繋がり」の礎は「家族」

現代に至るまで、日本社会の繋がりの礎は「家族」にあります。

他の先進国ではほぼ決着がついてしまった夫婦別姓制度も、日本だけは未だに議論が続けられ、根強い「家族は同じ姓を名乗るべき」論があります。「家族の絆」や「まとまり」を姓という形に求めたり、本質を失った後も形骸だけを大事にする風潮があるのです。

「親子の縁は切れない」「家族は良いもの」「血は水よりも濃い」と言った概念が信じられ、一番頼れる繋がりは家族や血縁であるという思想が一般的です。

それは、古い時代では真実であったかもしれません。しかし、第二次世界大戦後の日本は、それだけが真実とは言い難い現状が繰り広げられている実態があります。

毒親を中心とした機能不全家族が激増し、親との縁を切りたくても「親子の縁は切れない」「家族は良いもの」「血は水よりも濃い」といった呪縛に縛られて苦しむ人たちも多くいるのが実情です。

本来なら心の支えになり合うはずの家族が、義務感で関わり合うだけの苦痛に満ちた場になっていたり、家族関係による感情ドラマの応酬にストレスを感じている人は大勢いらっしゃいます。

実に多くの人の悩みや苦しみの要因のトップは「家族」であるという事実を、そろそろ真っすぐに見据えた方がよいでしょう。家族よりも他人との方が付き合い安いと感じている人は、決して少なくないのです。

日本の「繋がり」のもう一つは「帰属集団」

日本の「繋がり」のもう一つは、就職先を代表する帰属集団です。会社でなくても学校、町内会、世間、社会、国といった「帰属集団」との繋がりを自分のアイデンティティとして拠り所としている人たちがとても多いです。

これは「家族」の延長線上で、今まで「親」だった庇護者が「会社」や「世間」や「社会」になったまでのことで、癒着体質という意味ではなんら質的な差はありません。

「親」に愛されるために、受け入れられるために、「社会」から認められるために、受け入れられるために、本当の自分を押し殺して「繋がり」を維持しようとする共依存的な構造はそのままなのです。

家族にしても帰属集団にしても、古い時代の繋がりは、今その本質的な意味が問われていると私は感じています。

パートナーとの繋がりの変化

アメリカで共依存専門のコーチをしているリサ・A・ロメノ氏は、「たとえ今婚姻関係の中にあったとしても、それが「終の棲家」だと思ってはならない」と明言しています。

つまり、「今の相手と添い遂げる」という考え方自体が、すでに古いものなのです。

例えば、もう何年もセックスレスで、互いの存在感が希薄になったまま「なんとなく」一緒に居続けるカップルは多いでしょう。「波風を立てない」ことが好しとされる文化では、意味もなく「現状維持」することが推奨されます。

ですが今の時代のエネルギーは、そうした甘えを根底から覆すような強烈なものです。自分自身の中で決着がついていない、折り合いがついていない現実があれば、残らず表面化してくる流れなのです。

パートナーシップは、発展性や拡大性がなくなった時点で関係を解消しなくてはならない。惰性や慣れからズルズルと一緒に居続けてはならない、というのが現代では共通の認識になりつつあります。

その認識の根底にあるのが「ソロ」という生き方で、お互いに自立した人間同士が互いに成長し合い拡大し合える間だけパートナーシップを結ぶという考え方です。

「ソロ」という生き方

何年か前に香港人の知人が言った言葉があります。

「私たちは基本、全員ソロ(一人)でしょ」

その時まで私は、そういうことをしっかりと考えたことがなかったのでした。

20代で海外へ出てからも友人や恋人はいたし、日本には親兄弟がいました。30代で結婚し「二人」になってからは、それが当たり前になっていたのでした。

でも、私たち人間は、基本的に一人。今はたまたま隣に誰かがいたとしても、永続するものは何もない。関係性も存在も、時と共に変化していく。ただ一人変わらず最後まで共に居続けるのは、自分一人だけです。

これからの時代、他との「繋がり」を考えるときに、「自分自身との繋がり」を抜きにしては何も考えられません自分自身との「繋がり」を強固に構築した上で、ソロ(単身)として他との「点と点」の繋がりを構築していく時代です。

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