お金の街・金融の街と言われる香港で16年間過ごした私は、一般的な日本人とはまったく異なる金銭感覚の持ち主です。
今回は少しお金のことについて書きます。
お金との付き合い方や、お金に対して抱えている問題や課題は人によってまるで違います。その人の抱えているテーマは、その人固有のものだからです。
念のために先に書いておきますが、私にとって「お金のゴール」は「お金を沢山貯めること」ではありません。
私は、日本の人たちは「貯金する」ことに拘りすぎる民族だと感じていて、「どうしたらもっと貯金できるのか」と考えて、それをゴールとして生きている人たちが多いように感じています。
私個人の考えでは、目的の無い貯金は不毛です。
「子供の学費を今から貯めていきたい」とか、マイホームの頭金とか車を買うなど、「使用目的」が決まっている貯金なら別です。
しかし、目的もなく単に不安や心配を解消するためだけにする貯金は、お金の価値を殺すだけだと考えています。
それよりも、自分はどういう生き方をして人生で何をしたくて、それをすべて実現させるのに必要な金額の収入が常に入ってくるような仕組みを作ることに力を注いだ方がいいと、本気で考えています。
私自身、若い頃から貯金は沢山してきたけれど、欲しいものや必要なものはいつも買わずに済ませてきた人でした。私が乗り越えるべきお金の課題は、「自分のためにお金が使えるようになること」でした。
私は自分のケースのことしかわからないので、この記事では私個人の経験を書くことしかできないのです。私の他にも同じ(似たような)問題や課題を持っていらっしゃる方の参考になればと思っています。
お金との関係テストはこちら:
目次
お金を使えなかった私

以前の私は、とにかく「お金が使えない」人でした。
もう少し掘り下げて言うと、「お金を使うことに対して大きな罪悪感を持っていて、少しでもお金を使わずに貯めることに安心感を覚える」という人でした。
欲しいものは一切買わず、必要なものですらも買わずに済ませて浮かせたお金はすべて貯金へ回すような人でした。若い頃は毎月10万円以上を貯金していたものです。
楽しみが少ないストイックな生活でしたが、それが私にとっては安心でした。私は過去生で何度もストア派の哲学者として生きてきましたから、魂にその頃の癖が染みついてしまっていたのです。
「衝動買いしてしまう」「浪費してしまう」「借金の問題がある」とは無縁の人でした。
あまりにもストイックすぎる私を見かねた親友から、「たまにはお金を使って美味しいものでも食べにいこう」と誘われるほどだったのです。
自分のためにお金を使えない、お金を使って自分を満たすことに罪悪感を覚える
これが私のお金に関する問題と課題でした。
問題克服に取り組む

言うまでもなく、欲しいものや必要なものすら買わずにお金を貯めようとすることは健全なことではありませんでした。
ある時期から真剣に自分に取り組み始めた私は、お金の問題に関しても真剣に取り組んでいきました。
私が実践していったことは以下のことです。
当たり前のことを当たり前にできるようになる。
ある種の人たちにとっては当たり前すぎるほど当たり前のことかもしれませんが、ストイックな私にとっては「訓練」が必要なことでした。
- 「一番安いもの」を買うのをやめて「(どれだけ高くても)欲しいもの」を買う
- 自分の生活に「質」や「潤い」を与えてくれるものにしっかりとお金を使う
- コーヒーはコンビニで買うのではなく、毎日お気に入りのカフェへ行って飲む
- 無駄遣いはせず、光熱費や必要な経費はキッチリ使う
- 生活に必要なものは買う
それから、以下のことも実践していきました。
- 「何となく入っているサブスク」はすべて解約する
- 「何となく」使っているお金をすべて洗い出して使うのをやめる
- 税金・年金・健康保険はキッチリと支払う
- 支払い請求書は後回しにせず今すぐ支払う
以前の私は、スーパーの棚の中で「あら素敵、美味しそう」と思うものがあっても決して買わず、底値商品ばかりを探して買っていました。
質の良い食器や家具を買わず、百均ですべてを揃えたりしていました。
コンビニコーヒーすらも買わず、家で落としたコーヒーを水筒につめて持ち歩いて飲んでいるような人でした。
寒くても我慢して何枚もセーターを重ね着し、ガンとしてストーブを使わないことで光熱費を節約したり、水道代を浮かせるために洗濯は週2回までと決めたりしていました。
自分を大切に扱う生活パターンに変える

今から思えば、こんな生活を自分に強いること「は自分に対する冒涜」でしかありませんでした。
私には、もっと普通に快適で豊かな生活を送る権利がある。自分は価値がある人間なのだと、今なら普通に思えるのですが。
そこで、自分の消費パターンを打破するべく、毎日の生活の中の行動パターンを大胆に変えていきました。
今では週に4~5回はカフェで仕事をし美味しいコーヒーやスナックを楽しんでいますし、毎日普通にガスも電気も使って家の中を快適に保っています。
食べたいものを我慢して買わずに済ませたり、欲しいものを買わずに安いもので代用する癖は手放しました。
しかし長年染みついた癖とは恐ろしいもので、今でも時々寒いのを我慢してストーブをつけずにいたり、暑いのを我慢してエアコンをつけずにいたりするのです。
そういう時はすぐに気づいて「快適に過ごすのは私の生れながらの権利」と思考しながらストーブやエアコンを必要なだけ使うようにしています。
区別と見極めが必要
私たちにとって難しいのは、「何が浪費で何が自分のための消費なのか」区別がつけられないことではないかと思います。
私も長い間それには悩みましたが、今はしっかりと区別がつけられるようになっています。
浪費とは

浪費とは、ストレスに解消に使っているお金、あるいは「みんなやっているから何となく」お金を使うことです。
- 仕事や人間関係のストレスを発散するための食事や飲み会やカラオケ
- ストレス発散のための衝動買い(必要もないのにお金を使いたいという理由でする買い物)
- 機能不全故のギャンブル(パチンコや競馬など)
- 付き合いで入っている保険や取っている新聞
- 何となく入っているYouTube や Netflix など
- 欲しい物を買わずに代用品として買っている安物
自分のための消費

浪費は決してよいものではありませんが、自分のためにお金を使うことは絶対に必要です。
私は以下のお金を惜しみなく自分のために使っています。
- 月一回の整体
- 月一回の美容室
- ジムの利用料
- 毎日カフェで仕事をするためのドリンク代
- 手作り製品にかかる材料費
- 部屋を心地良く整えるためにかかる経費
- 住居を快適に保つための家賃や光熱費
- 好きな家具や必要な家電を買うための費用
- 親しい人たちと一緒に行くカフェ代や食事代
- 好きな人へのプレゼント代
- 自分の好きな服を買う費用
- 食べたいもの・飲みたいものに使う費用
- 自分に合った快適な寝具や枕を揃えるのにかかる費用
- 税金・年金・健康保険料
- 必要な医療を受けるのにかかる費用
- 自分を身ぎれいにこざっぱり保つためにかかる費用(髪に合ったシャンプーや洗剤やその他)
生活の隅々まで自分らしく整える
このように自分の生活を隅々まで丁寧に見直して「自分らしく」整えていくと、「自分の人生の主役は自分である」という静かな自信が全身にみなぎってきます。
自分の生活がすべて「自分好み」にデザインされて整っていくからです。気に入らない部分があれば、自分の意志と自由で変えればいいのです。
それを決めるのはあくまで「私」であること。他の人とか世間一般とか、あるいは著名な誰それとかが決めたことではなく、「私はどうしたいのか」だけに従って決めるということです。
要は、こういう生活様式(ライフスタイル)を賄って余りあるだけの収入を望むべきなのであって、「少ない収入の中でどうやりくりするか」ばかり考えているうちは、お金の課題を乗り越えることはできないわけです。
こういうライフスタイルを持つことは、決して「贅沢」ではありません。人間として生まれてきた以上、最低限必要な権利です。
豊かさとは何か
「豊かさ」という言葉の定義は、人によって様々違うでしょう。
私にとって「豊かさ」とは、自分のやりたいことをすべてやり、自分のが望むライフスタイルを実現でき、それを生きることを指します。
私にとって「豊かさ」とは、人間として生まれた以上は、当然の権利だと考えています。
健康を維持するための温かく栄養価の高い食事を必要なだけ摂れ、必要な医療を必要なときに受けられ、やりたいこと(何かを習得するための教育を受けることや、経験・見聞を広めるために旅行すること、趣味や教養を深めること等すべてを含む)ができ、安心・安全・快適な生活を送れるだけの環境を、問題なく整えることができること。
これが私が考える「豊かさ」です。
昔の世ならまだしも、これだけテクノロジーやすべてが発達した世の中で、洗濯も毎日できない、好きな食べ物(数百円)も買わずに我慢するような生活で満足している場合ではないです。
私たちは誰しも、もっと自分を満たしながら生きる権利があります。
豊さを受け取れるようになるために、自分に「豊かで快適な生活を送る許可を出せる」のは、他ならぬ自分だけです。


1973年長野県生まれ。20年以上に渡り海外5か国に暮し働きながら、心理学、宗教学、人智学、形而上学(メタフィジカル)などを学び実践してきた経験を持つ。現在は国内外のアセンションのプロセスにある人たちの覚醒の支援・サポートを行っている。
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